第118話・同道の徒
「ところで、
クー子は訊ねた。特に理由もなく、ここに来るものだろうかと疑問に思ったのである。
「いや、それがな。急に、姉貴が書いたっぽい書が見つかったんだ……」
「それは一体!?」
だから、
「あぁ、おそらく
クー子たちは少し練習を楽しんでいた。その間、
「ん?」
その書物の宛先、
「私たちが聞いていいものですか?」
「聴かせるためにこのタイミングなんだと思うぜ。姉貴だし! っと、読むぞ! “始まりの太陽より、
それは、
その内容はこうだった。
『同じ道を歩く貴方へ。お元気ですね! 私は最初の日司、
天照大神の正式な神としての名は、
彼女には
それだけではない、いくつか予言が隠されていた。そして、現状すら隠されていた。彼女は今も
「
クー子は思わずつぶやいた。出会ったこともない、古い神。それなのに、全てを捧げ救済に動く姿に心を打たれたのである。
「ま、姉貴はこんな奴だ! しかし驚いたなぁ、少し前にアレイスターの奴には会ったんだが……。どうやって根の国を出たんだ?」
「しかし、この内容では我々だけで知っておくには余りにも……」
みゃーこが思うのも当然だ。なにせそこには、予言が含まれている。
「もちろん、全神族に伝える! 心配すんな!」
クー子はそうなのだろうと思っていた。何より、結果的には絶対にそうなる。
「でも、クルムの傷が消えるって……本当に良かった……」
クー子はそれが一番気になっていたのである。さもありなん、
「姉貴が言うんだから、消える可能性が高いだろうな! それより、こりゃ清々しいぞ! 根の国がそうなっちまったらマジで来る!
あまねく生命は輪廻を繰り返し、やがて
「消える……」
額の傷はやはり気分のいいものではない。
それに、神々はいつも夢を描いて、それに向かっているのだと。なら自分もその列に加わりたいと思った。
「
もし
「そうなるだろうな! そして、断られるんだろうな……。姉貴は、拗ね易いから」
最高神にすら欠点がある。実は、
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