第110話・神集う
「た……たか……カタマガハラ……」
陽はすっかり使い物にならなかったのである。それもその筈、陽も陰陽師。どちらかといえば、神も仏も
「はーるー!
ねっとりとからかっているのが
「しかしどうして、
クー子は疲れて眠っている渡芽にみゃーこを下ろしながら言った。
ついでに蛍丸も眠っているが、戦いになれば彼女はたたき起こさねばならないとクー子は思っている。
「アレイスター派征伐だよ! あれは、残しておいたら本当に中津国を滅ぼしかねない。だから、ちょっと良くはないが、神々で叩き潰すのさ! つい、昨日見つかってね、偵察も済んだんだよ!」
疑問に答えたのは、
ただ、クー子がそれを知っていることを知らず、事情までももう一度話したのである。
「あ、その件でしたか! ということは、
クー子は人間の戦力の上限を知らない。かつて捕まえたメイガス、あんなものは最弱の部類と思っている。だが、メイガスと言う位はは相当上位なのである。
「相手は
ドンと胸を叩く
「それに、この子は言ったらしいよ! 人間のことなんだから、神様だけにお任せするなんて良くないって!」
だが、神々は放っては置かない。尊い決断は、広く知られるべき、そして賞賛されるべき。
自己承認欲求大いに結構。満たして背中を全力で押すのだ。
だから、
「ふふっ! これじゃあ、本当に
彼女の信仰は正しかった。頼るだけではなく、自ら動く。祈って手を塞ぐのは自ら考えるため。神はそこにそっと手を添えるに過ぎない。
誰もがそうなれば神は、地上に姿を表せる。否、地上が
「だね! まぁ、この子は間違いなく稲荷さ! アタシの子だもの!」
と、
人と神の共存共栄、それが人の八栄えの目指し方である。賽銭など、ただ絆を表すに過ぎない。だからこその、
その時、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ど、どういう組み合わせなんだい? 父様!」
それは、あまりに珍しい組み合わせだった。
「クー子が征伐に来るって聞いて、挨拶に来たんだ! んで、
と、
「あんた、参加するのかい!?」
「はい!
と、確かな決意を抱いて宣言するクー子を、
「立派になっちまって! あぁ、父様! アタシはこの子を尊重する!」
「流石、
これを
「んで、
気分が良ければ良いほど、清々しいは頻度をますのだ。多少悪い方が、会話が通じやすい。
「
。
「クー子って呼んでいいさ! あ、アタシも
「上がんなよ! 中ではなそうじゃないか!」
と、
なにせ、崇めている主神に連れられている。更には、かの有名なお稲荷さんが目の前にいる。
緊張で、言葉など発せられようはずもないのだ。なにせ信心深い人間なのである。
「おう、邪魔するぜ! 久しぶりだ! 清々しい気分だ!」
娘の家に招き入れられてご満悦の
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