第102話・道真先生
蛍丸の、次の料理の師匠。それにクー子が選んだのは、
「あれ? なんで、
クー子は訊ねた。
「あ、いえクー子様。そろそろ、
と、
そこで、クー子はハッとした。そして、出迎えたのが自分一人であったのを幸いと、疑問を投げつける。
「
無ければ無いで都合がいいと忘れがち、だがクー子はそこで思い出したのだ。
「クー子さん。私、蛍丸さんに料理を教えに行きます」
何やら積もる話がありそうだと感じた
「あ、ごめんなさい放ったらかしにして! どうぞ、よろしくお願いします!」
そう言って、クー子は頭を下げたのであった。
話は戻り、
「ふむ、話してみなければわからないのですけどね。多分、イヤイヤと言いたくなることが無いのではないでしょうか? クー子様、
「えっと……自然と?」
それを普通と思っているクー子もクー子で異常だ。手間はかかっているのに、全然苦に感じていない。可愛くて仕方がなくて、ついつい気付くと思考の中に
「まぁ、お話してみましょう!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「
蛭子神族の神コマ関係は、漫才コンビのような側面を帯びるのである。
「
幼児期における言語との接触の欠落。神へと転生したことで、それを既に補っていたのだ。
「おや、礼儀正しく明るい方ですね。ここでの生活はいかがですか?」
「幸せです! ……優しいお狐、いっぱいです!」
たどたどしさはないとは言えない。だが、ここまでくればクー子も気づいた。
「クー子様……クルムが、立派に喋っております」
「うん、うん」
「それは何より。では、少し変な話を……。星が何故輝くか、ご存知ですか?」
ここからは、
「星……遠い遠い太陽です!」
「なんと賢い……。では、太陽は何故輝くのですか?」
「鉄が燃えてる……燃えてます!」
クー子は教えていた。だから、
「鉄は燃えるんですか?」
純粋に疑問に思ったような態度で
「燃えます! ……見……ました!」
クー子は
「なんと賢い!
目上を敬う気持ちを、この歳で発揮している。知らないふりをした自分に、見下すこともなく教えてくれる。
「えへへ! クー子のおかげ……です!」
と、
「クー子様、圧巻です! この子は賢者になるでしょう……」
呼び捨てていながらも、敬っている。なんと礼儀正しく愛らしいのかと、
「良かった! でも、
クー子は照れくさそうに言った。
「稲荷が尊い神として祀られる理由が分かりました。稲荷の
「クルム、どうする? この神様がいろいろ教えてくれるよ!」
「行く! クー子……一緒!」
と、
「ごめんなさい、いつも一緒は無理なのです」
「どうして……ですか?」
「それは、神には仕事があるからですよ」
と、
「仕方ない……一人で……行きます!」
だが、
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