第88話・オンライン神遊び
『もしかして、この
クー子はそれに書き込む。妖力の消費は、他人の術に干渉するほうが大きいが、クー子は自分がポンコツだと自覚している。
『はい、
それをみて、
「あ、そうだ!
こういった悪ふざけやイジりに、神々は寛大である。こういった場合で、変調があるときは、自分で自分を苦しめているのだ。
祭り好きの気のいい神々、それがその程度で怒るはずもないのに……。
解決法は簡単だ、自己カウンセリング、神社で手を合わせるだけである。
「おぉ! いいじゃないか!」
と、
コサック農家:やっぱり本物では? だって、手を合わされる側みたいな発言……
チベ★スナ:だな……。ガチ
マジコイキツネスキー大佐:稲荷神様は実在したんや! 日本万歳!
なんだかんだ、
「ち、ちが! アタシは、そーゆーキャラなんだよ!」
と、慌てて取り繕う
クー子は目を輝かせながら、最高の瞬間を待った。
そぉい!:慌てて否定するのが、怪しい……
ポリゴン:
コサック農家:
だが、彼女らは本当はUtuberだ。外のガワがない……。生身のまま写っているだけだ。
「バチ当てるよ! からかうんじゃないよ!」
と、
チベ★スナ:正体表したわね!
マジコイキツネスキー大佐:なんか当てられるみたいに言ってるってことは、やっぱ神なんすねぇ……
そぉい!:確定だな……。神様たちが、Vやってたんや。
みっちー:あれ? これってオンライン参拝になるの?
まさにオンライン参拝だ。神社を守護する神と、直接話せる貴重な場である。
ただ、それがガチだと誰も気づいていない。
「う、うぐぅ……」
「くじゅ様……」
ニマニマとクー子が、語りかける。
「な、なんだい?」
「ようこそ……」
クー子にも仲間ができたのである。からかわれ仲間が……。
「このぉ!」
だが、実力的に
コサック農家:クー子ちゃんが嬉しそうでなにより!
マジコイキツネスキー大佐:てかさ、狐っ子同士でじゃれてるのに感動するんだが?
チベ★スナ:安心しろ、俺もだ……
ポリゴン:つかさ、マジでモデルのクォリティ!!!
モデラーたちは、本当にそこが圧巻だ。広すぎる可動域と、細すぎるテクスチャである。
だが、それはリアルだから当然。空狐なクー子はリアルの存在である。
「え? アレ?」
「どうしました?」
クー子が訊ねるも、今度は
「いや、言わないほうが面白いね……。黙っておこう!」
クー子は神であるから、神の実在を実感している。だが、視聴者たちはそれを設定と捉えているのだと。
そう、自身についても……。
「言ってください! 気になって眠れません!」
クー子はそう言って、肩を掴んで揺らす。
「寝なくても問題ないじゃないか!」
クー子が
狐同士じゃれあっている姿を無限に見ることができる。視聴者はそれに、ご満悦だった。
マジコイキツネスキー大佐:ここでしか摂取できない栄養素が絶対にある……
それは、視聴者の総意となったのである。
ママ属性を持ち、姉属性を持ち、もふもふ属性を持ち、ポンコツ属性を持つ。そんな、混沌たるキャラクターは他には存在しないであろう。
ぶっ飛んだ、神々の遊びはまだまだ続くのだ……。
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