オカルト連合
第71話・クー子の幽世
岩を通じて
「ここが……クー子様の……」
神の
そもそも
「ん? どうかした?」
少し前に、その性質を利用しただろうに、クー子は忘れていた。やはり、どこかポンコツなのである。
「いえ、何故だか心地よくて……」
蛍丸は、普段みゃーこや
それはまるで、のぼせることのない入浴の如しだった。
「お気に召したようでなによりですね! クー子様!」
これからは、蛍丸にとってもここが家だ。少なくとも、クー子とそのコマたちはそうと思っていた。
「いい場所……」
そこは、
「うん! 本当に良かった!」
まずは好感触、クー子はそれを喜んだ。
「まずは
ここの主は、クー子である。みゃーこは、そこに伺いを立てて行動を決定することにした。
「夕飯かな? あーでも
もともといた場所は、清浄の代名詞である
みゃーこは術師としてある程度成熟している。
「クルム、お風呂入っておいで。ご飯作っておくから!」
クー子は、
「ん! 蛍丸……一緒……だめ?」
渡芽は、訓練として
でも、クー子は一緒に入浴することも決して拒まない。単純に選択肢を増やしたに過ぎないのである。
「私は……」
「蛍丸ちゃん、嫌?」
だからといって、入浴させないこと、それは器物としての扱いが大きい気がしてクー子は気が進まなかった。だから、結局決定権は、本人の意思だ。
「いえ、そうですね。いただきます」
蛍丸は、その尊重が心地よかった。だから受け取るのである。
と言っても、人の姿での入浴。
そもそも、海を通って
「こっち!」
「わっ!? 引かずともついてまいりますのに……」
そう言いながら、二人は退場していった。
とても、外交的になった
「
さておき、今度はこっちの話である。
「みゃーこは、料理! 手伝ってね!」
いつかは失敗したこと、でもいつかできるようにならなければいけないこと。
「
だが、今回クー子には勝算がある。
「もちろん! だって、人化が上手になったんだもん!」
人間というのは、その身体構造そのものが革命だ。器用な指先。ジャイロ装置としての腹筋と骨格による直立二足歩行。自由になった両手が、科学をもたらせた。
「では、
自立して社を手に入れた神が、料理を出来るかどうかはこの人化にかかっている。料理は科学である。
「ふふっ、一緒にやろうね!」
だけど、それは気楽に取り組むべきことだ。楽しむことこそが、主目的。味覚で、視覚で、その他体内での化学反応で。
少なくともクー子はそう思っていた。
「はい!」
そして、クー子とみゃーこは料理を始めた。
人化を使いこなしたみゃーこはずっと器用に料理をする。失敗に備えていたクー子は、少し肩透かしを食らってしまった。
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