第66話・巡る銀の星
次の日のことである、この日
「聞いてくれ! 魔術師の奴ら、鍋石にきやがったんだ! 俺たちは、黄金の夜明けを舐めていた! 奴らは、人間を使い捨てにして、一歩一歩
最奥の舞台の上に立つ、
幾多のフェイクを重ねて、多重に封印を施してあるのが
「今から言う神は第一席の間に参れ!
為政者としての姿の
これらの神は主に鍋石の社に配属された神々。特に、
もちろんその本物が置いてある神社の神も呼ばれているだろう。それは、不動大照宮にある。これもまた、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クー子はコマたちを宇迦之御魂に預け、第一席を訪れる。そこには、呼ばれた神以外にも、幾柱かの神がいた。そこに、
「しばらく、鍋石に配属になる。
「とりあえず、現状説明だな。黄金の夜明けは現在、
「
本物は、直接地脈に刺さっている。それ一つ引き抜かれれば、天照の瞳から流れる神通力が解放され始めてしまう。手がかりが確実に一つ増えるのだ。
「いくつか、神社から石を口寄せた。
それは、境内で術が発動されたとすれば影響を受けているものが必ず見つかるように選ばれたものだ。
「一見ですが……残滓が、どこにもありません」
これは、神々のダメ元である。基本的に、神族最高の術師は思兼である。そんな、思兼も残滓を見つけられなかった。
だから、少し特異な術も使えるクー子に訊ねてみたのだ。何か見つかる可能性を考えて。
だが、クー子はまだ諦めない。アプローチの方法を考え続けた。
「とりあえず、
祭りの最終日には、社につき一つ
「かしこまりました」
「他の神も同様だ。今年は、鍋石を、
今年の鍋石は、本当に波乱になるだろう。
「見つけられれば早いんだがな……。クー子、ネット使ってどうにかならねぇか?」
「それは……どうでしょう? 調べれば、黄金の夜明けの支部は出てくるでしょうけど……」
そう、情報はきっと出てくる。ただ、そこに本当に術が使えるほどの者がいると思えない。術を使うには、いくつも段階を乗り越える必要があるのだ。
「発言よろしいでありますかな?」
「どんな情報でもありがてぇ。遠慮するな!」
「アレイスター・クロウリー。彼が、転生している可能性を示唆したいのであります! 人間で彼以上の術師はいないのであります。
黄金の夜明けの創設者、アレイスター・クロウリー。死んだのは、つい最近である。転生を考えるなら、あまりに早すぎる。
それに……。
「いや、まさか!? ありえんのか!? フラター・ペルデュラボーって、あいつの名前だろ!?」
魔術師は、フラターから始まる魔法名を自分に付ける。
「確かに、それは彼の名前でありますな……」
もはや手詰まりと思われ、
「一つだけ、試させてください。抜刀の許可を」
クー子は求めた。それが、唯一手がかりを得られるかもしれない道であった。
「俺は構わねぇ!」
「やりたまえ!」
その場に居る最上位の二柱の神は、即時承認した。
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