第44話・包巫
コラボが終わり、クー子が一息ついたところだった。
クー子は、急いでそれを取った。
『聞いてください!
通話を取ると、興奮した様子の
その話を聞いているうちに、通話には
『ん? 途中からしか聞こえなかったけど、何を喜んでるんだい?』
あたふたしていると、クー子はどんどん機会を失ってしまう。
『なんだい、
相手は稲荷だ、最初から何も心配することはなかったのである。
だから、もう何もかもが言うまでもないこと。クー子は、思わず顔がほころんだ。
「たまたまだよ! でも、
芸事を起源とする出会いは、
ただ、本人たちは絶対に教えてくれないのだ。だから考えるだけ、彼らは恩に着て欲しくない。
そんな時、クー子の背後で
振り返れば、クー子のコマ達がいた。
「仕事終わったよ! こっちおいで!」
既にクー子の部屋は緑ではない。コラボが終了した時に、術は解いていた。
「クー子様!」
「お疲れ様……」
二人それぞれ、別の言葉を言いながらクー子に抱きついた。
『おやおや、愛されてるね!』
『あ、そうだ! みんなで話すのはどうです?』
それに一番賛成したのが
『いいね!
ついでに名案を思いついたのがクー子であった。
「ビデオ通話にしませんか?」
一度はやってみたいと思っていたことでもある。そして、やる相手がこれまでいなかったことでもある。
『あ、カメラの術式、どんなイメージですか?』
と、最近使いこなし始めた
『ビデオ通話?』
わからないのが、
「えっとですね。顔を写して喋れるのが、ビデオ通話。それと、カメラの術式は千里眼を自分に向けて、インターネットにより合わせる感じで!」
術式ヲタクなクー子は、それをかなり把握していた。
そして、ビデオ通話開始を脳内操作でONにして、自分たちを写すクー子。
『おぉ、見えた見えた! 相変わらず可愛いね!
葛の葉は、まるで孫のようにクー子のコマたちを可愛がっている。
「見えますよ! ばっちりです!」
昔から、
「くじゅ……」
つい昨日大好きになった
「あ!? え!?」
くじゅは、
『
通話の向こうで、
『
とっても、乗り気だったようだ。
そんな話を挟みつつも、
『クーちゃん。あたしは、あんたにも、くじゅって呼んでもらって構わないよ! 二人には、いいって言っておいたからね!』
くじゅは、
「じゃあ、くじゅ様……」
そんなあだ名をなぜ今頃持ち出したのかというと、それには理由があった。
『うん! さてさて、
「あだ名! 欲しい!」
『
どうやら、今持っていない二人は欲しいようで……。
『私は、たまちゃんが不服です!』
持ってる組は、不服申し立てをしたい神が一柱。
『
それは、
「クー子……決めて……欲しい」
『おや、お母さんには勝てないねぇ!』
「うーん。
全ての道を自分の中に包む、稲荷の
「いい! 嬉しい!」
結局
ついでに、
言いだしっぺだからと、案を出した
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