第31話・渡芽の神様修行
「それじゃあ、
人が奏でる、
神が歌うのは、
「あがこま?」
この歌には、ほかにも意味が有る。
「うん、いろんな時に神が歌って、コマが舞う神楽だよ! いつか
また、コマたちが
「満野狐も、一緒に踊りますぞ!」
みゃーこは、踊る役目が近い。成りコマになったあと、コマの参列の中で主役の一団に入るのだ。
「狐になるにも、これは大事だよ! コマとして迎え入れられる、それを受け入れているっていう意思表示でもあるから!」
本当に、いろいろな意味があるのだ。
そして、
「やる!」
私も同じモノに。そう願ってやまない
「それじゃあ、ホイホイっと!」
クー子は鈴や扇を出す。これらは下級の神器であり、神が口寄せできるように所有者が登録されている。
人間が神所有のそれを使うと、神の方が誘いを受けたような気分になる。
「きれい……」
ついでに天上の
その後、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
とはいえ神楽は、もちろん立派な舞踊である。体を動かすし、体力を使う。普通に生活していては行わない動きだって少なくない。
そのせいで、
「まだ……!」
動かない体にムチを打ってでもと思ってしまう
「今日はもうおしまい。別の大切なことをしよう?」
具体的な言葉は知らないクー子。でも、我慢できないことだけは知っていた。
無理なものは、無理。神がコマに対して、わがままを言うべきではない。
「狐……なる……できる?」
そのためになるのかならないのか。それが、
「そのための、お勉強だよ!」
「やる!」
これで断って初めて、子どものわがままなのだ。その時神は初めて、コマを叱る権利を得る。
「
それがなぜ、セーラー服なのか……。それは現代人のイメージが影響していた。JK退魔師と言えば、大概の現代人がセーラー服をイメージする。そのせいで、セーラー服の方が装束として優れたものになってしまっていた。つまり、伝承的都合によるコスプレだ。
「ふっふっふっ! 実はね、放送は動画として残っているんだよ!」
クー子は胸を張っているが、知ったのは四日前。初配信の次の日に、自分の放送がチャンネルに残っているのを見て知った。
本当に、ポンコツである。
「あれもこれも、また見れるということですね!?」
と、みゃーこは興奮するも、これで神の中ではネット上級者なのだから恐ろしい。
神々だ、人間の高齢者の年齢でも幼いと言われる社会だ。ネットに苦手意識を持っている神が多い。
「そう! また見たいのは、全部見れるよ!」
得意げなクー子。
そんな当たり前のことも、革新である。100年かけて、追いつけば神々は御の字だ。なにせ、殺さない限り死なない。
「はる……聞いた」
渡芽のような幼い子供は、案外覚えているものだ。子供は、大人の話を大人が思うよりも聞いている。
「おぉ! すごい! 実はね、神様に必要な誠の道を教えてくれるんだよ!」
つまり、道徳である。
神道……
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