空狐なクー子はリアルです! ~もふもふお稲荷ママ、大切な狛狐のために頑張ります! 神様のお仕事と配信業! VTuberって言っておけば、狐でも大丈夫なんだよね!?~
第29話・神様が夜なべして何にもしなかった
第29話・神様が夜なべして何にもしなかった
というのは、話の脱線であった。
「って、天皇や私の話はいいのさ!
人類宣言がなされるよりももっと前に、
それよりもである。
「え!? 普通に、
さすがに、自分もVTuberだなんて名乗るのはマズいと思っていた。
「ほう? じゃあなんだい? ほかの稲荷に……って、あれは
そう、今日、クー子が
「なんか便利な活用があると思いましたが……」
食事は既に終わっていて、からの食器の前での
その時である。コマたちが、船を漕ぎ始めたのだ。
「後だね……。よく遊び、よく学んださ。どうせ、あとはあたしたちの話だ。コマたちは寝かそう」
そこで、クー子に電流が走った。
「渡芽ちゃんは、私の尻尾を枕にして寝てるから」
まだまだ、それを急に変えるのも不安だった。
「なるほど……それなら仕方ないさね……」
と、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
布団を敷き、そして枕になった時だった。
「くーちゃん。QR出しな」
なんと、
二人は、クー子が外に行っている間にLinneをダウンロードした。そして、使い方を調べて、既に二人でグループを作っていたのである。
クー子が
「は、はい……」
ちなみに、妖術スマホに妖術モニタ。これらは極めて便利である。電源は本人そのものだし、どこにでも出せる。通知は、直接脳内に響くためいつでもサイレントモードだ。
『それで? どんな使い方してるんだい?』
『VTuber、やってます……』
と、クー子とその視聴者は思っている。だが、実際にやっているのはUtuberである。外の人などいないのだ……。
『
『やるじゃないか! どれ、
ちなみに、タイピング速度などの概念はない。考えるのと同じ速度で、メッセージが書き込まれる。
『葛の葉様。Goggleです!』
と、得意げに無料スタンプまで使う、
『( ̄ー ̄)bグッ!』
クー子は、自分がさらに高度だと思っている、アスキーアートを使って反撃した。辞書に登録されている、なんてことないものである。
『おっ、あるじゃないか! なになに……』
そして、
『モデルがリアルすぎて草。本物にしか見えないけど、耳があるから偽物だよな……』
『当たり前だろ、あんな自然な生え方をさせられるアクセサリーはないはずだ。モデラーを知りたい……』
など、前半はモデルを褒める文言が続く。だが、途中からそれは変化した。
『超演技派だぞ! お稲荷さんな狐妖怪を完全に演じてやがる!』
『クー子ちゃん。解釈一致しかない。声も仕草も可愛くてこれって、最強の原石来たか!?』
そう、最近のクー子はそんな評価だ。それは、単純にクー子のリアルでしかない。
『あんた、稲荷神族ってバレてないだろうね?』
と、
『だ、大丈夫なはずです! ちゃんと気をつけてます!』
バレるわけもないのに、神々はまだ、自分たちがファンタジーと化していることを知らない。
『あ、こんなのも書いてありますよ! 超演技派VTuberクー子ちゃん。彼女の放送は二日に一回の可能性が高い。現在デビュー後四日。そんなペースで配信が行われている。また、スケジュールなど確認したら記事を追記したいと思う……だそうです!』
クー子は右からも左からも検索されてしまって、気恥ずかしくて仕方が無かった。
『なかなか毎日って難しい(><;)』
クー子は、このメッセージで使った簡素な顔文字を、自分が発見したと思っていた。
『まぁ、遊ぶのも、神の仕事に差し障りない程度にね!』
と、葛の葉が言う。だが、それはクー子には心外だった。
『これ、人間のお金にできるんですよ……』
と、詳しいことを知らないくせに言い放ったのである。
人間のお金は、人間から油揚げを仕入れることに使える。そうなれば、稲荷神族は目を変えるのだった。
その日、この三柱の神は一睡もしなかった。玉藻前と葛の葉がクー子を質問攻めにして、寝かせなかったのである。
三柱で朝まで調べたが、クー子が収益化申請のレベルまで後一歩届いていないため、三柱とも理解できなかったのである。ただ、一つだけ進展した。クー子はツブヤイッターを始めるべきと理解したのである。
神の睡眠は娯楽だ。だから、気軽に徹夜する。だが、精神的に疲れた時、睡眠は有効だった。
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