第25話・外の目
「そういえば、外の目はどうするんだい?」
妖怪退治をするとなった、その日にクー子は妖怪退治の必要が出た。だが本来は、管轄地の妖怪退治にはかなり大掛かりな準備が必要である。
たっぷりと遊び、そして疲れたコマたちが昼寝をしている隙に
「あー、それは……。近くに安倍
クー子はそれに任せようと思ったのである。それは、
稲荷神族と思っていた時間が長すぎて、人間だと言う認識が正しくできないのだ。だから、神族同士のお付き合いとして、システムに組み込まれている感覚があるのだ。例えば
「
せいめいは、はるあきという音を隠すために本人が名乗っているだけの名に過ぎない。はるあき、と発音すれば、それは真名に通じてしまう。また、狐がついていないのも、
現代では、稲荷神族は男子も受け入れるつもりがある。だが、そうなってみたら今度は晴明は少女に転生してしまったのだ。
「は、はい……! すぐそばに住んでます! 山の
クー子は、てっきり
外に出なかったから、上位の神しか情報源がなかったのだ。
「そうかい! 元気なのかい?」
「は、はい! とっても元気でした! あ、お話します? Linneという、ネットアプリで通話できますよ……」
ネットアプリ、この言葉は神にも浸透している。クー子がネットを神族に開通させたせいである。
「人の世は便利だねぇ……。話はしたいさ、が! やめとくよ。今生の母親がいるだろう……。あたしは、あっちから来たら受け入れるだけさ!」
そんな風に、言葉を発することができる
そして、本題。
「クー子様、よろしくないのでは? 人に頼りきっていては、神の面目立ちません!」
正しい事を言うのが、
「あ、そっか、人か……。人……だったね?」
言われてようやく気付く、クー子である。なぜなら、クー子の中での
「喜々として、人間のこと話すから何かと思えば……。あんた、
なにせ、葛の葉の血が流れている。
……それは前世の話だ。今生では、普通の美少女である。どちらかといえば、人化した葛の葉の顔が近い。
「クー子様って、コマ
それ以外の部分は、かなりポンコツである。
そんな、
「私悪くないもん! 晴明くんは、陽ちゃんなんだよ!」
「ええええええええ!?」
驚いたのが、
「なんだいそれ?」
ピンと来ていない
「ほら、いま話題の、コマ教育放送しているVTuberです! クー子様がネット開通を
「ええええええええ!?」
時間差で、
「あ、あの子……いま、そんなことやってるのかい? 関心ではあるんだけど、ちゃんと出来てるかい?」
「出来てます出来てます!」
「奏上が、認められてるってことは、立派なことですよ!」
「そうかいそうかい! あの子は、いい子だったんだよ。当時の
なにせ、その添え木は、
「その話聞きたいです! 私、
その後、
「うむ、じゃあ何から話そうか……。まずは、
「くーちゃんなにやってんだい!? あんたは、外の目をしっかり作ってくるんだよ!」
クー子は聞くことが許されなかったのである。
「ひーん!」
だが、自業自得だ……。
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