第24話・神の様
クー子は、そんな
「時間をとってくれてありがとうございます、クー子様。あの子、
だから、情報は
「聞かせて。あんまり、いい予感はしないけど」
クー子の想像は、何もかもが悲しみの連鎖の結末に
神は、人そのものを見下す、なんてことはほとんどない。
「まず、あの子の状況。国籍そのものがありませんでした。おかげで、
通常、神隠しは
後に、特殊
だから、今回は、本当に特殊だ。国籍がなければ、その時点で
「そっか……」
それは、流れに過ぎない。物事は、全て原因があって結果がある。渡芽の両親、それがどんな理由で、虐待をする親として育ってしまったのか。クー子は、それを知らなくてはいけない気がした。
「それと、彼女の両親は
それが、
「一体、どんな経緯が……」
「わかっているのは二つです。彼女の両親は、彼女をおもちゃにしていたこと。それと、彼女によって、ある種自己承認欲求が満たされていたこと」
子は親を認める。生命を維持するのには、手段がそれしかなかったからだ。
「ありがとう。わかったよ……」
クー子は、静かに、低い声で言った。
「人間は愚かでございますね……
玉藻前は、その声の主を探して、そしてすぐに見つけた。
「
クー子はその叱り方も、良くないと思った。
「いい?
人間は……。その言葉を選んでしまうこと、それが動物妖怪最大の弱点だ。
「はい?」
「そのおもちゃは、ついぞ帰ってきませんでした。そしたら、ほかの人におもちゃを貸せる?」
ゆっくりと、一つずつ丁寧に話すクー子。必ず目線を合わせて、優しい声で、時間を惜しまずだ。
「貸せる訳ないじゃないですか」
失敗体験が、行動を阻害する。そこまで、
「じゃあ、
瞬間、
「あ! ケチ……です」
気づいたのである。人間は愚かの正体。知らないから、そう見える。
「その、返さなかったお友達も理由があるかもしれない。本当に、心っていうのは複雑すぎて全部見えない。だから、愚かに見えた
外野は黙ってろとは、それの乱暴な言い方だ。全部理解せずとも口を出せるのは法のみ。神の世界にも、法がある。
神は人を見下さない。流れを考え、断ち切る方法を考える。それを十全に理解しているからこそ、クー子は道の踏破に近い。だからこそ、主神に迫る力を持っているのだ。
「解りました……」
「「ごめんッ!」」
「たまちゃんから……」
神の世界の
「ごめんなさい! 本来、
「いやいや、ごめんね。私も、ちょっと出すぎたことしちゃってるから」
そして、その出過ぎたことを、
「いえ、むしろ助かりました。これからも、お助けください!」
そう言われてしまえば、受け入れざるを得ない。なにせ、クー子はみゃーこの教育に
「わかった! でも、たまちゃんもまたいろいろうちの子に教えてあげて」
理論的な話、知識的な話は、
「はい!」
そんな、二人のやり取りをみて、
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