第16話・お毘売さま
次の日、朝一番に
今回、クー子が買ったのは
「
クー子は、巫女にあこがれがあった。クー子の
あと、巫女服はみゃーこ用に関しては、数年前から持っている。一人既に巫女がいても、なお憧れが衰えていないだけである。
「着物? 私……の?」
「うん!
その服は、神々の衣服の中でも高級品である。七夕伝説に登場する、織姫。彼女が作ったものが一着紛れている。問答無用で三級以上に分類される神器だ。一級まで成長する器すら持っている。人の世で例えるならば、皇室御用達な衣服だ。やりすぎである……。
それ以外も、かなり高級品であり、布切れを持つだけで加護があるような品である。
それを、次々と
「どれ?」
クー子があまりにいろいろかけていくものだから、
「全部!」
クー子は、もう買っちゃっていたのである。織姫……
「ふわー……」
そこに、みゃーこがあくびをしながらやってきた。そして、その光景を目撃して思ったのである。懐かしい……と。
みゃーこもこの洗礼を受けていた。
「嘘……」
着物……見たことのない衣服ではあるが、美しいのは一目瞭然。なにせ、本物の天上の衣だ。
「嘘じゃないよー! 今日はどれ着る?」
そんな物を、もらえる。それは、想像とは少し違うタイプのお姫様である。むしろ、お
「壊れた?」
「お狐わんわん、人になーれ!」
その時、みゃーこは人化して、押し入れを開いた。そこは、もはやウォークインクローゼットである。ただし、和風の……。
この時は、みゃーこは、しっかりと意識してわんわんと言っていた。
その中を見て、渡芽はぎょっとした。同じくらい美しい服が、たくさん入っていたのだ。
普通に神の基準でやりすぎだが、それでもクー子の日常である。
「あ、今日着ないのは、あそこにしまって置くからね!」
あながち間違っていない。なにせ、神の世界に居るのだ。ただ、間違いと言える部分は、
「私……の?」
であれば、納得が行った。極楽なら仕方がないと。
「うん、今日着たい服を選んでね!」
クー子が言うと、渡芽は巫女服の一つを選んだ。それが、
「綺麗……」
それは、
神になったら、流石に
「じゃあ、それにしよっか!」
と、言った次第に、
ただ、着付ける時は、どうしても人間の体が必要だったのだ。でも、
その巫女服は、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
着替えて何をするかといえば……。
「今日は、
そんな、くだらないことだった。
「もちろんですとも!」
と、手を上げるみゃーこ。
「うん……」
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