第4話・神様向けの教育番組
神々の世間話は長いのである。だが、人生の内世間話をしている比率で考えればごく短いということになるだろう。そもそも、クー子は現在三千歳である。水田が生まれた頃から生きているのだ。
農業が始まる前の
クー子は
「さーて、
陽……それはクー子がVTuberを名乗ろうと思ったきっかけである。
クー子は妖力を電波に変換した。この妖力通信、実に1Pbpsの通信速度が実現できてしまうのである。Pとはペタである。ギガ……テラ……その上のペタである。
「クー子様、お好きですね!」
クー子の
「みゃーこは好きじゃない?」
「好きですよ! 同じ
「そうだねー! いつか会いたいねぇ」
二人はそう思っている。だが、事実はそれと異なるのだ……。
空中に妖術の板が浮遊する。映し出されたのは、またしても狐系の少女だった。
彼女は白狐、耳も尻尾も真っ白である。尻尾ランキングで
『……さて、今日は……
男性的な語り口だが、女性である。ポニーテールでセーラー服で白狐な男性口調のJK
「あ、
クー子は普段待機組である。今日は
「クー子様、
みゃーこは訪ねた。陽の言葉は、妖怪を信じない人に向けた、
「うん、そういう仕事もしてたってたまちゃんから聞いてるよ! でも、普通に妖怪退治しっかりやってくれてたって! 特に安倍
安倍
「なるほど、
『んで、誰かのために何かをする。そんな時にもらえるときは見返りをもらう。恩を着せないために。これを自分の心の在り方にする。これが、
彼女も思わないだろう。自分のVTuberチャンネルが、神族の教育番組的な扱われ方をされているなどと。
実際、彼女のチャンネル登録者の内、
「そうだよー! いっぱい神様を助けてくれた
話は戻り
「なるほど!
誤解はどんどん深まった。
「うん! 多分
もはや
『んで、キリスト教は自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよじゃん? これ、日本だと
神族の目線でそれは正しかった。実は、大国主は現在の
「おぉー!
「そうだよ! 怪我とかも治してくれたりするしね!」
そう因幡の白兎に描かれるように、
大黒神族は神族の病院に行けば、必ず一人は居る存在だ。ただし、心配性が多いのは要注意である。
『んじゃ、今日はこの辺で! 雑談タイムに移ろうか!』
陽がそう言うと、チャット欄がコメント溢れる。
大黒ヨモギ:今回は大国主様の話も聞けて良かったです! いつも楽しく拝見させてもらっています!
シロ:大黒様……一番お会いしたい神様だなぁ……
稲荷クー子:今日もみゃーこと二人で見ました! いつも勉強になります!
そう、神族のコメントで……。
妖術によるインターネット接続は、神族の間で一般化している。クー子が発案し、それを
よって、現在神族に浸透しつつあるのである。
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