怒章

「加賀美さん、加賀美さん目を覚ましてください」

「ううん」

俺は、疲れを感じながら目を覚ました。

目の前には、自称(天使)がいる。

はぁ、まだ続くのか、辛い。

何が辛いってこんなことをしたって何もならないことがわかっているから。

俺は、闇堕ちのさらに深い思想に入りかけたところで、

「次のミッションが決まりた」

「分かりました、次はなんですか?」

「加賀美さんには、怒りの感情を取り戻していただきます」

「まぁ分かりました。では、お願いしますね」

「今回は、あっさりしましたね。では、」

「おおー」

俺は、また落ちた。


前回落ちた場所と違い、雑居ビルや高層ビルが多くなっている気がする。

オフィス街のようだ。

「加賀美さん、聞こえますか?ジャケットにメモ帳と地図を用意しているので、そこに向かってミッションをクリアしてください」

「分かりました」

「で、検討を祈ります」


ここのビルの各紅商事か…企画を出す事。

働いても金がもらえず、怒るように仕向けられるなんて最悪以外でもないな。

はぁー行きますか。


俺は、会社に受けうつけメモ帳に記載されていた滝沢という者に連絡を取ることにした。

「お世話になっております、えータナカコンサルから来た加賀美と申します。滝沢様は、いらっしゃいますか?」

「滝沢ですね、少々お待ちください〜…すぐ滝沢が向かいますので、お待ちください」

「はい、分かりました」

しばらく待っていると50代ぐらいの少し禿げている男性がやってきた。


「いや〜お待たせしました。私、営業第三部営業課長の滝沢と申します。本日は、営業販促ミーティングに参加していただきありがとうございます。いやー加賀美さんのお噂は、聞いていますよーよろしくお願いします」

「ええ、よろしくお願いします」

「こちらの会議室になります。事前に資料をご確認をしいただけばと思います。会議は今から2時間後になるので、事前に打ち合わせにお伺いしますね」

「分かりました」

どんな設定で俺は、この会社に来ているか不安で仕方ない。

そんな思いを抱きながら資料がたくさん積まれている資料室についた。

思いの外、たくさんの資料に辟易しながら資料に目を通すのだった。


資料を要約すると、食品問屋のようだ。

今回の会議では、自社で運んでいる商品について、運送費用高騰と効率化についてがメインのようだった。

なるほど、これに俺が関わるのか…絶対に大変だ。

こんなの一回の会議で決まるわけがない。

自分の意見をまとめに移るのだった。


「いやー加賀美さん、どうですか??何か改善案ありそうですか?」

「そうですね。あまり詳しく見れていませんが、共配なんてどうですか?」

「共配?それはなんですか?」

「失礼いたしました。共同配送を提案していくのはどうでしょうか?御社は自社便を使っていますので、得意先に送る際に他社のも一緒に配送を行い、利益を得ていくのは良いかと思いました」

「なるほど、加賀美さん。さすがですね。それで行きましょう」

滝沢さんは、そういうとにこやかに誉めてもらった。

その後も詳細に打ち合わせを行い会議室に向かった。


会議は、その後順調に進み意見が採択され詳細なプランを提出することになった。

俺は、用意されたホテルに寝泊まりし詳細のプランや具的な行動計画も作り上げた。

そして、出来上がったプランを見せに行くのだった。


会社についたら会議室に通され、滝沢さんと打ち合わせを行った。

「加賀美さん、ありがとうございました。いやーこれほどとは」

「いえいえ、お役に立てたら幸いです」

「しかし、私が言ったこのプランもしっかり組みてていただけるとは、すごいですね」

「ありがとうございます」

「報酬は、後ほど会社にお支払い致しますね」

「ありがとうございます、今後ともよろしくお願い致します」

なんか腑に落ちないけど、まぁいいか。

俺は、会社を出てホテルに、向かおうととした際に喫煙スペースから声が聞こえた。


「あの滝沢さんと仕事するなんてヤバいよな」

「ああ、絶対に成果をあの人のものになるよな」

「ああ、前のコンサルの人もめっちゃ成果を偽造されて報酬安くされ、変わったってもっぱらの噂だもんな」

「ふぅー 部下にあいまいに指示したのも成果が出れば自分のもんにしていくからな」

「やってられないよな」

「転職しようかな」

「そうだよな」


俺は、聞き耳を立てつつ大きくため息をついた。

やっぱりそうなるよな。

成果は、全て上の人に持っていかれるよな。

今の会社でもそうだった。

色々工夫しても全て上司の手柄。

どんなに成果出しても増えない給料。

やってられないな。


「天使、終わったぞ」

「お疲れ様でした。すぐに転移させます」


モニタールーム

「コロエルよあの男は、どうじゃ?」

「芳しくありません。やはり心に抱えるものが大きく感情の発露がありません。一層低下しています」

「あの計画を実施する必要があるのか」

「そうですね、しかし1つの感情だけ出すのは、後に大きな後遺症を残す可能性が」

「じゃが、このままいけばあやつは…」

「分かりました、あの計画を始めます」

「よろしく頼むぞ」

「はっ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る