第4話 黒鳥、騎士

 綾は、ユリンでのはじめての二つ名を持った者だった。


 ユリンでの名は、試験の時に使う能力、外見、性格で決められる。そして、それを決めるのは、ランクが上の決められた者だ。その者たちを、名付け人といった。


 今までは、どんな人だろうと、姫菜ですら悩んで名前を出してきた。


 けれど、綾の名前を決める時、絶対に決められなかった。


 そして、名付け人は、最終的に、綾に二つの名を与えた。それが、黒鳥と騎士。


 黒鳥の名の由来は、真夜中でもよく見える目を持ち、鳥のように最速だったから。


 そしてナイト、騎士の名の由来は、絶対防御。それと、突き進む剣。


 綾が「騎士」と、「黒鳥」の名を与えられた理由は、もう一つあった。


 それは、呪われ姫を守ること。神の領域を超えた者の姫菜の力の出し過ぎを止めるには、神の領域を超えた者にしかできない。


 「黒鳥」姫を見守る親鳥。

 「騎士」姫を止めるナイト。


 その二つを綾は与えられたのだった。そして、綾はユリンで唯一2つ名を持った者になったのだった。


 

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