第3話 呪われ姫
篠倉姫菜は、12歳の時、ユリンの者にさらわれた。ただ、姫菜は何も思わなかった。
姫菜は、ただ、やれと言われたことをやり、試験に合格すると、ユリンのことを説明された。
姫菜は、顔色ひとつ変えず、ユリンの人間になることを認めた。
そして、能力から付けられた名前が呪われ姫(姫)。由来は、姫菜に、ある伝説の姫が取り憑いていたから。
そのため、姫はユリンの住人からも気味悪がられた。
それでも、姫は、何も思わなかった。その理由を兼ねて、ひとつ、昔話をしよう。
ある女性の元に、1人の女の子が生まれた。その女の子が姫菜だ。そして、姫菜を産んだ母は、姫菜の笑顔が大好きだった。
2人は、幸せに暮らしていた。姫菜が5歳になる前までは。
ある日、大事故が起きた。ユリンの夢幻が、出てきてしまったのだ。
そして、姫菜の母は、ユリンのものだった。
夢幻は、姫菜を襲おうとした。それを命をかけて守ろうとした。けれど、姫菜の母は死に、母を殺した夢幻はユリンへ逃げたのだった。
姫菜は、その時、能力の暴走が起きた。母が目の前で死んだからだ。
そして、最後、母は能力で姫菜の暴走を止めた。その時、姫菜に言った。
「姫、絶対に、ユリンヘ行った時、感情を出してはいけないわ…。これがママと姫の最初で最後の約束…ね…?」
これを最後に、姫菜の母は息を引き取った。姫菜の母は、初めからわかっていたのだった。
姫菜が最強の能力を持っていること。そして、その能力は、感情と繋がっているということ。
それが、姫菜の昔のお話。そして、呪われ姫と呼ばれるようになったのは、幼い頃に姫、(能力)を暴走させてしまったから。
今でもユリンでは、笑うことも、泣くこともなかったという。
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