第1章  第1話

 それは突然やってきた。いつもと変わらず朝の礼拝を終え、食堂で朝食をとっている時にいつもと違う事に気が付いた。全員がボディーアーマーを着込み、殆どがアサルトライフルを持っている。隊長恪と思われる覆面男は欧米製のハンドガンと無線機を装備している。

 昼近くに車がやってくるような音がした。手錠をされて折り畳み式の机と椅子が運びこまれているエアコンの効いた小さな会議室のような部屋で、男が座って書類を読んでいる。

「さあ、座ってください。あなたと話すために来ました。煙草とコーヒーはいかがですか」

日本語で話しはじめた男は、紺のスーツを革靴といった風貌で日本でもよく見る服装だ。男はタバコを差し出し火をつけてくれた。しばらく吸っていなかったが、心を落ち着かされるのには役立ってくれた。

「アイスコーヒーは日本人の発明の中でのお気に入りでして。砂糖はいれますか?」

「砂糖は入れないで大丈夫だ」

紙コップ話ながら渡してきた。

「経歴で知ってはいたけれども、日本語が上手ですね。准教授」

「元准教授だ。今はただの一般人だ」

煙草の灰を落としながら答えた。

「これは、失礼しました。ついでと言っては何ですが、自己紹介がまだでしたね。村井といいます。今日は政府の業務代行としてきました」

自己紹介をした日本人が覆面の男にうなずくと手錠を外し部屋を出て行った。

「少々プライバシーに係る話ですし、席を外してもらいました」

村井と名乗った男は穏やかな口調で続ける。

「さて、まず簡単な話から始めましょう」

先ほど読んでいた書類に目線を移しながら続けた。

「お名前はモハメド・シャバール・エトウ、年齢は31歳で間違いありませんか?」

「間違いない」

「はい、けっこうです。実は健康診断時の採血を少しもらいDNA確認をしていたのですが形式的な質問をしなければならないのです」

申し訳なさそうな顔と口調だが、本心ではないだろう。

「今回私が任された業務は2つあります」

そういって書類を渡された。

「1つ目は、日本国籍のはく奪に関しての書類です」

さすがに、驚いた。

「本人の許可もなくそんなことはできないだろう?」

「残念ながら私の給料ペイグレードではお力になれません。上からの指示で渡すように言われてるだけですし...」

保身に走るやつはどこにでもいるものだ。

「ようは、私が日本国籍だと困る人間がいるということか」

「恐らくは、ですが。」

「もう1つは何だ?」

もう何が来てもおかしくない。

「こちらになります」

知識としては、知っていたし珍しいものではなかったそれは、離婚届であった。

「奥様の方の署名と捺印は頂いておりますので、あとは署名と母印をいただきたいのです。」

「からかっているのか?」

笑いそうになり飲んでいたコーヒーをこぼしそううになった。

「そんなことはありません。奥様たっての希望でして」

ハッタリだと感じた。そもそも家族で欧州に渡った後は足跡を残さず移動をしてきたし、現に自分はだれにも見つからずに聖戦をおこなえたのだから。

「わかった、書くものと朱印を貸してくれ」

紙切れで繋がりが切れるわけではない。それは、あくまでも制度上のものであって、繋がりや血筋を絶てるものではない。

「これでいいか」

素直に署名と母印を押した。渡されたボールペンでこの男を殺そうかとも、考えたがそんなこともしてもなんの得もない。

「ありがとうございます」

そういってカバンに書類をしまっていた。

「もう終わりなら戻りたいのだが」

「ええ、政府の業務は終わりです」

監房に戻ろうかとしたとき村井が口を開いた。

「次は、ウラマーの将来について話あいましょう。」

完全に不意打を突かれた。穏やかな口調に油断していた。

「ウラマーは知恵者や知識人を表す言葉のようですね。当初は安直すぎかと考えていました。ですが、極限状態なら効果的です」

口調が変わらない村井の不気味さが拭えない。

「仕事は終わったのではないのか?」

「エトウさんと日本政府の仕事は確かに終わりました。私は、最初に伝えつもりですが”あなた”と話をしたいと」

この流れは良くない。

「聖戦の様子は監視カメラに不鮮明に記録されてるのが、一般的に公開されています」

おもむろに鞄からデバイスを出して動画をみせてきた。そこには自分の顔が鮮明に映り、何人かが『ウマラー』と叫ぶ声も記録されてた。

「これは大きな音や衝撃を受けた際に、自動的に録画録音を開始する車の車載カメラです。映像はクラウドに保存されるためカメラが壊されても、映像は残ります」

全身から血の気がひいた。憶測やブラフではなく確度が高い証拠を持っていて、それの使い方を心得ている。

「これらのことから、聖戦メンバーが特定された。のが現在までの流れです」

物理的な面だけでなく、電子的な足跡を残さない事にも注意を払ってはいたけれども、見落としがあったようだ。

「ただ、今回のケースの場合はどの情報網にもかからなかった。このことから”あなた”に話が聞きたいのです」

自分が話すと思っているのだろうか。生活環境変えたのはを白状させるためか。こちらもブラフをしかけよう。

「前線の私のような戦士には何も知らされていない。知る必要もない」

need to knowの原則を知らぬ筈はない。

「そうですか。ですが、持っている情報を分析するのは、その道に精通するものたちです」

完全にやりにくい。相手が感情的であれば、相手の論理のスキや矛盾を突くことができるが、口調すら変えない相手は感情すら読み取れない。完全に最初から騙されていた。ボトムラインを設定しても相手の要求が、今のところハッキリしていないのも困るところでもある。ブラフで乗り切るしかない。

「例え知っていたとしても、待遇改善や拷問されても話す気はない。死んでもだ。」

言った後で後悔した。まるで三文小説のような台詞だ。

「誤解をなくしておきましょう。待遇改善を求めたのは確かにこちら側です。ですがそれは、あなたを懐柔するためではないことです。それに、もする気はありません」

何を言ってるのか正直わからなかった。つかみどこるがない。

「あくまでも、話し合いで及第点を目指していきたいのです」

これまでの長い歴史の中で話し合いで解決したことはない。武力衝突の後話し合いはあっても話し合いだけでの解決はない

「こっちは何も話す気がない」

相手が話し合いなど生ぬるいことを言っている以上ここは強気なブラフで乗り切る事が一番だと思える。こちらから仕掛けるしかない。

「こちらを懐柔する以外の理由で待遇改善する理由あるのか」

「男らしさが、老人や子供の虐殺、女性を凌辱することだと考えている人間なら、穴倉が相応しいでしょう。話し合う余地もありません」

やたらと話し合いにこだわるようだ。

「自分となら話し合う余地があると」

「ウラマーと呼ばれるとあなたであれば、身心共に正常であれば話し合いができると考えての措置です」

「逆効果だったようだな」

もはや話し合いは絶望的な状況なのは理解したはずだが、村井は一切動じていない。

「わかりました。ではあなたの奥さんと話をします」

全く予想だにしていない言葉だった。だが、彼らに見つけられるはずもない。

「見つけられればだな」

吐き捨てるように言った言葉に、村井が驚いたような表情をした。

「先ほどお伝えしたと思いますが、離婚届は奥さんたっての希望です」

言葉は理解していたが、思考が追い付かなかない。村井が続けた。

「今奥さんと、お子さんは日本国内にて私たちの保護下にあります。話し合いが決裂してしまった以上、奥さんと話しをするしかありません。ご心配なく、あなたの待遇は今までとは変わらないと約束します。煙草もさし上げます。お好きな銘柄でしょう」

そう言って、帰り支度を始めた。引き止めたく自然と言葉が口を出た。

「無駄なことだ。妻は何も話さない」

「そうですか。では息子さんに話を聞きます。それが駄目でしたら、お嬢さんにも。それも駄目でしたら奥さんのご両親にも。まあ、取りあえずは親族全員に。それが駄目でしたら、友人と思われる方にも話を聞くことになりますね」

村井は、穏やかな今まで通りの口調で、立ち上がりネクタイを直しながら部屋を出ようとしていた。

「家族を巻きむな、卑怯だ!!」

村井は向き直り、ゆっくり鞄を置いた。

「卑怯だと?お前の聖戦でどれだけ人が死んだと思ってる!家族を失ったもの友人を失ったもの、光を、手足を失いこれからも生きなければならないものもいる。」

突然変わった口調と空気に、圧倒された。

「数だけを比べるのは好きではないが、犠牲者数を考えればお前の家族や友人が人生を壊されようとも、釣りが出る程度だ。お前はこちらが出したチャンスを失った。これは、お前の傲慢さが生んだ結果だよ。あんたを見張ってる男達は、ほかの聖戦やら革命で大切な者達を奪われたんだ。殴る蹴るで済んだだけ感謝するべきだったな」

全身が凍り付き口も動かせない。

「あんたの件から手を引く。ある国に手柄を譲るさ。彼らは”色んな”技術を持ってるからせいぜい楽しみな。あんたの家族は情報をメディアにリークした後に保護をとくさ。あとはどうなろが誰に柄抑えられようが関係ない」

いうべき言葉はわかっていた。

「なんでも話すから、家族だけは勘弁して欲しい」

月並みな言葉だが、それが最善に思えた。

「情報次第だ」

そう言って村井は煙草に火をつけ深々と吸った。

「さあ、将来について話あおう」




 近くのターミナル空港に着くと、大使館から迎えが来ていたので入国審査は並ばずに済んだ。警護のために車内には自衛隊から出向している武官がいた。プロフェッショナルらしく黙っている。大使館に着くと安全な回線を使い電話とメールを送り軽食をとり仮眠をとった。迎えに来た武官に起こされ欧州に向かう飛行機に乗った。今度は迎いがいないので、長い入国審査に並び税関を通りタクシーホテルに向かった。チェックインを済ますと、今まで着ていた服をランドリーに出してから着替えてから外出した。外はまだ明るかったが祝日のビジネス街なので、人通りは少ない。近くの老舗のダイナーで夕食をとり、目的もなく街をぶらついた。これで目的は果たせただろう。翌朝ロビーに降りタクシーを呼んでもらった。住所を書いた紙を運転手に渡した。運転手が英語で話しかけてきたので、適当にあしらっているうちに目的地に着いた。通りも通り向かい側が目的地だ。その奥の通りが見えるテーブルに目当ての男がいた。

「時間通りだな、村井」

スマホをいじりながら言った。

「プレゼントはいらないですか?リックが好きなウイスキーですよ?」

席に着くと、ウエートレスがメニュー表とリックが頼んだ料理を持ってきた。

「イングリッシュブレックファースト?アイルランド系の家系だったと記憶していますが。」

互いに顔をみていなかった。

「アイリッシュブレックファーストだ。必要経費だ何か頼んだらどうだ?」

ウエイトレスを呼んで、ガス入りミネラルウォーターとオムレツを頼んだ。

「ミスチョイスだな。この国は朝食以外食べられたもんじゃない。」

ミネラルウォーターを持ってきたウエートレスはムッとしている。

「わざわざお店に来なくても、朝食は奥さんが作ってくれるでしょう?」

「妻は今度は、スムージーにはまってて朝飯は食えるもんじゃない。」

ソーセージを頬張りながら答えた。

「高血圧で死にますよ。」

オムレツとケチャップが届いた。

「人は皆死ぬのさ。ケチャップをくれないないか?」

ため息をつきながらケチャップを渡した。

「まあ、朝食を楽しみましょう。」

黙々と朝食を食べ終え、食後にコーヒーを二人分頼んだ後リックが切り出した。

「この後、オフィスに寄ってくれ。」

「ええ、かまいませんよ。」

コーヒーを飲んだ後、黒いSUVに乗り込んだ。

「それでうまくいったのか?」

「ええ、割と上手くいきました」

そういってウイスキーの入った箱を渡した。もちろん中身は違うが。

「浮かない感じだな。何か有るのか?」

やはりリックに隠し事はできない。

「ええ、今回の事件単発で終わらない気がします。」

「続くと?」

「おそらくですが。詳しい話はマリオットからの報告を待ちますが。」

様々な話をきく方法が至れり尽くせりなので、マリオネットホテルと呼ばれている。「まったく、お見通しってことか」

「日本に先を譲る代わりに、自分を指名してくる時点で壊れる前に情報を引き出したいのはわかります。」

「オフィスで詳しい話をきかせてくれるか?」

「ええ、もちろん」

自分は公安と外務省の連絡役という役職ははあるが、生まれ持った能力を活かせる仕事に出会えたのはありがたいことだ。

「報告ありがとな。ホテルまで送らせる」

顔が曇ってっるのは明らかに分かった。

「ありがとうございます。でも大使館にお願いします」

「何か用でもあるのか?」

「ええ、日本のチームを動かす時なので」

SUVに日本大使館の近くまで送ってもらった。大使館の安全な回線を使い、情報の裏取りと新たな情報を引き出すため動くように伝えた。日本に帰るのは明日なので、それまではホテルでゆっくりすることにしよう。ランドリーに出した服も、おそらく出来上がっている時間だろう。




 こういった事態の担当になってから、多くの事件を対応してきた。ほとんどが未遂や未然に防ぐことができたが、防げないこともあった。その多くが、各地域での縄張りや秘密主義が招いたことだ。新たな部署は様々な情報を統合を主たる仕事だ。先ほど、村井から報告を受けた件をチームで検討しよう。

「情報は共有できているか?」

皆うな空く。

「今回の件は直接わが国への直接的なこうげきではない。だが、情報網にかからなかったことが問題だ。上げられた情報を徹底的に検証し、針山の中から特別な針を見つけろ。以上」

チームは情報分析において、他の機関や部署に負けず落ちらずの実力者だ。軍部の情報部門から情報機関に移って仕事をしていたが、で様々な感覚が麻痺していくのを感じた。そんな時、村井と出会った。彼は良くも悪くも、特徴がなかった。彼は尋問に対して学ぶために来たのだが、正直頼りなかった。他の研修生と比べても経歴も大卒ののち連絡係と、不安しかなかった。だが彼には生まれつきのがあり、それは他の生徒にはないものだった。村井のスタイルは相手に主導権があるように思わせ、自分が望む状況に誘導し、嘘でもってせずに望むものを得る。といったもので、まるで政治家か金融街の投資家達のようだった。ただ一つ違うのは、字面通りには嘘をついてない。ということだ。話における含みや、行間を読むことでとらえる相手の勘違いを利用する。村井曰く『暴力は嫌いです獣っぽくて』だそうだ。自身相手が騙したり嘘をついている感覚はない。それがによるものにだと、気が付いているかはわからない。彼とは長い付き合いなので、報告書を読んでチームに何を指示したか見当がつく。村井はエトウに『家族に手は出さない』とは明言していないので、子供を使ってエトウの妻から情報を引き出すのだろう。人当たりがよく外見からは想像できないが、普通はためらう事を平然とやる。マリオットには、動機など村井が不得手とする感情的なことを調べてもらうよう頼んである。エトウの供述書から得られた筆跡を鑑定に回した。筆跡からわかることは様々だ。行動心理学で筆跡から人物像を特定し、爆弾魔を逮捕に至ったこともある。同じ思想や特徴の仲間を見つける手掛かりになる可能性がある。さて大変なのはここからだ。どこの所属何か、どこの分派なのか、それとも単独なのか調べたり検討すべき事が沢山ある。




 変革をもたらす為に長年準備してきた。計画をたちそれを実行するためのに努力もした。周りに怪しまれにために地域に溶け込みつつも、計画を実行するために周囲と一定の距離を保つ必要も有った。昼職につき欠勤もせず、駐車違反すらしなかった。とにかく真面目に目立たずいる必要があった。長年の苦労も大義の為ならば耐えられるものだ。他のメンバーは実行するために使い捨ての要員を引き入れたりするようだが。自分は一人でやるつもりだったし、その後の考えていなかった。昼職もなにも考えなしについたわけではなく、計画実行に際して必要な技術や物資の習熟の為に選んだ。生活するのに必要な日銭を稼げ、予行演習とはいかないまでも扱い方を学べるの環境はなかなかない。結構日が近づくにつれ、必要なものを段々と集めていった。一気に揃えると、目立っていしまう。まず目立たない中古車の日本車を買った。少し値が張ったが、故障しないことは大切だ。それからも必要なものを様々な場所で少しづつ現金で買いそろえていった。最後に賛同者からの贈り物を貰った。決行日、私物はすべて処分し部屋も引き払った。昼職の現場まで車で行きいつもと変わらず、仕事をした。車の中で皆が帰るのを待った。贈り物を鞄からだし、必要なものをとりに行く。偵察通り入り口を守る警備員がいたが、呑気にテレビを見ている。自分の影に気を付けながら進み脳幹を狙って撃った。サップレッサー付きのサブマシンガンは港湾地域なのが助けになり銃声はほぼしなかった。警備員の服を奪い死体は暗がりに隠した。脳漿が肌につき気持ちわるかったが、我慢するしかない。目当ての物を手に入れるには見張りを片付けなければいけないが正面切って戦うのは得策ではない。前もってあたりを付けておいた地点に行き鞄から深緑のカーテンを縫い繋いだ布を被り、一つの贈り物を出した。二人は高い位置にいるので、レーザー距離計で距離を計測しスコープを調整し上半身に狙いをつけ引き金を引いた。二人はその場で倒れた。即死でなくとも失血死で長くはないだろう。サップレッサー付きだが、ライフルなので先ほどより大きな音がしたし、マズルフラッシュもあったのでその場で他の見張りが気が付いていないか観察した。気が付いた素振りはなかった。次が最難関だった。相手は四人こちらは一人だ。建物の影を慎重に移動し、詰め所が近づいたところで鞄を捨てサブマシンガンを背中側に回し『助けてくれと』叫んだ。最初は怪しんでいたが、血に濡れた警備服を見て駆け寄ってきた。片膝をついた状態で三人が10mの距離に来るのを待った。真ん中の見張りから二発ずつ撃ち込んだ、物の数秒だった。最後の一人は救急鞄を持ってきていたが状況を理解して逃げ出した。しっかりと銃を構え逃げる背中を撃った。近くに倒れている三人の頭に一発ずつ撃ち込み、逃げた男に近寄ると這いながら逃げようとしていたので終わらせた。倉庫に入り目当ての物を見つけた。それを左右の足ポケットに入れ、車に戻り目的地に向かった。先ほどの興奮がまだ覚めていなかったが目的の完遂までは気が抜けない。海沿いの道を海岸にそって走っていると、港湾地区を抜けテラス付きの大きな屋敷が増えてきた。道路際に止め後部を確認すると大きなポリバケツがしっかりとあった。ポケットに必要なものものも入っている。また車を出し目的地へ向かった。その街の中心にあるホテルでは、老若男女問わず大勢が集まっていた。それは天然資源を搾取することを目的とした海外企業のパーティーだった。一部が利権を独占し、半数の国民は何の恩恵も受けられないまま資源だけを奪われることを祝う祭典が行われている。ホテルの従業員が駆け寄ってきて、業者は裏口から搬入口に行くように指示された、素直に裏に回り車を止めた。煙草に火をつけ足のポケットから取り出したものをポリバケツにセットし、ホテルの中に突っ込み、タバコで火をつけた。爆心地は更地になり、ホテルは完全に崩れていた。

 


 













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