ワイヤー

@vandraku

プロローグ

プロローグ

 聖戦を終えた後、海路と陸路を使い安全だと思われることろで休んでいた。戦士にも休息が必要である。新月の深夜、覆面を付けた男達に無理やり連れ去られた。薬物を打たれたようで、どこに連れて来れれたかはわからない。最初に入れられた狭い部屋は暗く不衛生だった。食べ物と水も殆ど与えられず、反抗する気力もなく数日は殴られたり蹴られたりした。

 だが、急に状況が変わった。ある日突然に部屋から引きずりだされ、シャワー室に連れていかれた。体を洗うように言われ石鹸を渡され感じたのは、久しぶりの温かいシャワーと石鹸の香りだった。ところどころ裂傷や打ち身があったようで体は傷んだが心は癒された。10分ほどたったところでお湯から水になったのでシャワー室から出た。出てすぐの長椅子にはタオルと清潔な服が用意されていたのでそれに着替えると別の部屋に引きずられていった。綺麗な白い部屋に中年の理容師だと名乗る男性が待っていた。椅子に座るように言われ、髭を綺麗に整えてもい髪もバリカンで短く刈ってもらった。久しぶりに晴れやかな気分になり次の部屋には自分の足で歩いて向かった。今度は白衣を着た医者だと名乗る若い男に事務的に検査と治療をされ錠剤を渡され、なぜか血を抜かれた。その後、しばらく何もない部屋に放置された。

 覆面をした男が現れた時、あの部屋に戻りたくなかったので、力いっぱい抵抗したが最終的には連れていかれた。しかし、行先は部屋ではなく鉄格子はあものの洗面やトイレ簡易ベットにマットレスとかなり豪華だった。極めつけに礼拝用の上質な絨毯と外は見えないが窓もあった。

 次の日からは生活は一変した。一日三食決まった時間に食堂に連れていかれて食事をし日中は庭を散歩する時間もあり二日に一度はシャワーに入れた。だが、なぜ生活が変わったかはわからないし、いつまで続くかもわからない状態だが覆面を付けた男たちが24時間監視されてる以上このまま解放されることはないとわかっていた。ここから逃げ出すこともできないだろう。覆面の男たちの目の鋭さからそれは明らだっか。



 飛行機に10時間ほど乗ると、何もしていないのに異様に疲れる。極めつけはエコノミークラスだったことだ。唯一救いなのは次のフライトまで時間があったので隣接しているホテルに宿泊できることだった。ホテルまではシャトル運行している無料のタクシーで移動だった、ビジネスカジュアルのおかげでフロントではすぐに部屋のカードキーをもらえた。一般的なビジネスホテルだったが国柄のせいか、スポーツバーがあった。普段はビールを飲まないがこれから飲めない地域に行くせいか、バーに行くことにした。スポーツバーではみなテレビ画面を見ていたのはありがたかった。カウンターでサンドイッチとビールを買い、店の奥のスタンディングテーブルに落ち着いた。店内はそれなりに混んでいたが、画面から遠いので店内では空いているほうだった。画面を見ているフリをしながらビルーを飲み終えると炭酸を買って部屋に戻った。特に人の目を引いていなかったので心と行動が一致ができているようだ。久しぶりの海外で、飛行機に乗ると時差のせいか心身のズレが生じる事があったが今回は大丈夫のようだ。明日からはなかなかな仕事内容なのでシャワーに入りベッドに入った。睡眠は重要だ。

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