プロローグ2話

…えっ、俺初対面で人殴ったの?


 やばくない?


 俺は死にたい願望を抑え込み黒歴史を思い出すことにした。




「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い――――」


大仰にソイツは床でうざいほど、右に左に転がる。たまに野太い悲鳴をあげては、チラッとこっちを伺ってくる。ソイツが正常になるまでそこを観察することにした。


 真っ白で家具も置いてない空間はどこをどう見ても、浮世離れしていたため俺は天国と断定した。


「ねぇ」


……ここを造った人の趣味を疑うが


「ねえ」


少し不気味だな。


「あの、ここって天国で――――」


「ねえ、聞いてる!? 神様の僕を無視するなんていい度胸だね!? 」


 自称神様は苛ついた様子で、威圧感をたっぷり込めて俺に話しかけてくる。


 あぁ、ここは怪しい宗教の勧誘場所か、それとも


「大人でそれはキツイですよ」


 自称神様はこめかみに青筋を浮かべると肩を震わせて俯く。そして顔を上げると、引き攣った笑顔で話し始めた。


「貴方は死んでしまいました。しかし貴方はあの平凡な人生で満たされなかった。


 だから、転生をさせてあげましょう。」


「恋愛をしたいです」


俺が食い気味に言うと苦笑を浮かべるソイツ。


「貴方はあの世界で満たされることができるでしょうか。


もし、困ったら僕に言ってください.貴方は使い方が分かるはずですから。」


 その声が悲しげに聞こえたのは気の所為だっただろうか?


「最後に質問はありますか?」


「俺の死因は何だったんですか?」


 食い気味に、自分の死因についての質問をしている。


「それは……」


俺は次の言葉に耳をそばたてる。


 アイツはニコっと満面の笑みで


「靴紐が解けたのが死因です」


 と無慈悲に言い放った。


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