第13話:準備

迷宮探索のための準備をする事になったので、早々に食事を済ませ、さらにトイレも済ませた。

もちろん仲間達もである。

(リアルを追求しているとはいえ、生理現象まで表現とか・・・しかも女性も必要・・・これは夢を壊してしまう。無くすように伝えよう。トイレが水洗便所なのはよかったが・・・。)


次は忘れていたアイテムの鑑定だ。

(まだ自分が身に着けている装備も鑑定していなかったな。新しく手に入れた杖とかも鑑定しないと・・・。)

鑑定のためにスマホのアプリを起動させて、カメラで映す。


☆:死神の黒衣:デザインは実用性がないが、保温力が高く実用性のある服。

☆☆:破滅の腕輪:ピンチになると自動発動し、魔力を大量に消費してランダムに奇跡を起こす腕輪。

☆☆☆:魔導士の杖:魔術師の職業レベルを会得している者のみ、魔術を使用する事が可能となる杖。


(死神の黒衣はまあ・・・その通りだな。破滅の腕輪はなぜ奇跡の腕輪じゃないんだ?魔導士の杖は・・・召喚士では使えなさそうだな。)


スマホを見ながら考え込んでいると、ココノがジト目で何か言いたそうに俺を見ている。


「何かな?」

「魔導士の杖は私にしか使えない。魔力の指輪はあなた一人で持っていてもあまり意味がない。全員一つづつ持たせるべきだ。」

「わかった、魔導士の杖は君が使ってくれ。魔力の指輪は・・・その運用が正しいのか?」

「魔力の指輪は魔力をストックしておける。先に魔力を注ぎ込んでいれば、自身の魔力が枯渇した時、使用する事で回復が出来る。」

「つまりはMPのストックという事か。」

「MP?なんだそれは?」

「MPは自身の魔力の総量を数値化したものだが知らないのか?」

「魔力の総量の数値化?私達もある程度感じることが出来るが、具体的な数値としてはわからない。」


(俺は相手の魔力なんて感じないな。ゲームの世界で感覚を表現するなんて無理だから、スマホで数値化してるんだな。)


「感じる程度とはいえ、あなたの魔力が凄い事はわかる。その魔力を指輪に分けて私達に預けてくれれば役に立つ。」


(たしかにMP500あるから分けた方が役に立つか・・・。おそらく休めばMPは回復するから先に使っておいた方が得だな。というか召喚士って魔術も使えないようだし、MPをどう使うか不明だな。もしかしてMP高いだけの職業?)


「わかった。そうさせてもらう、やり方を教えてくれるかい?」

「もちろんだ。わからないことがあれば何でも聞いて欲しい。」


(我の強さはあるが、悪意はなさそうだな。これからは色々聞くことにしよう。)


その後、魔力の指輪の使い方を教えてもらった。

どうも真ん中の宝石がボタンになっているらしく、指に着けて押すことによってMPを吸い取られたり、ストックしている魔力でMPを回復したりできるようだ。

ステータスを確認したところ、一つの指輪につき魔力のストックの限界はMP50のようだ。


(しかしボタンとは・・・結構アナログの構造だな。ただ、吸われてる感覚はあるが何かが減ってるという具体的な感覚はないな。)


一通りの準備を済ませ、ついに迷宮探索に向かう事となった。



























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