第10話:最後の召喚(ガチャ)
「ついに最後の召喚ガチャかあ・・。」
結局残り4回のうち3回はアイテムとなりキャラは出なかった。
☆ 魔力の指輪×2
☆☆☆ 魔導士の杖
しかも☆3は誰も装備できないという無駄なレアアイテム。
どうせアイテムならミコの装備アイテムが欲しかった。
(戦士と僧侶がいればなんとかなりそうだ。神様、仏様、最後はダメージ分散のため、職が被ってもいいし、☆1でもいいからキャラ来てくれ!最悪ミコの装備でもいい!)
高望みすると物欲センサーが反応して、ガチャの結果が悪くなるから謙虚に神に祈りながら召喚ボタンをクリックする。
「たのむ!頼む!Tanomu!」
すると画面が虹色に光り、
「私の魔術でみんなを助けるよ!キラッ☆!」
という陽気なセリフと元気な声によって、ピックアップの☆3エルフの魔導士のイラストが表示される。
「おお!ついに金髪碧眼☆3エルフがわがパーティに!」
つい声に出してしまったので、大丈夫かと他の2人の様子を見る。
大声だったので驚いているようだが、日本語なので意味は理解していないようだ。
ばれたら勇者としての威厳が崩れるところだった。
(とにかくこれで最大パーティが組める!最後の最後で引けるなんて、脳汁ドバドバ出るぜー!)
早速ステータスと確認してみる。
ココノ エルフ 女 基礎レベル:4
HP:45 MP:153
力:12 知力:17 信仰心:8 体力:14 素早さ:17
職業レベル
魔術師:4 盗賊:3 狩人:3 賢者:3
(これは凄い!魔術師レベル4でそれ以外も3!そして他の仲間が持っていない盗賊と狩人も持っているしMPも高い!しかし、そう考えるとMP500の俺は反則級という事かなのか?。)
いろいろ考えていると、今までのように部屋が暗くなった。
ただそれからの演出が今までと違い、七色の光が飛び交いそれに合わせてイナズマのような音が流れ出す。
(おお、これは凄い!ただファンタジーゲームの雰囲気ぶち壊しだけど・・・。)
そして突然明るくなると、魔方陣に長い耳をした人物が召喚されていた。
見ての通り長い耳で、そして黒いローブに身を包んだ、黒い髪の黒い瞳のエルフ・・・。
「金髪碧眼じゃないんかい!しかも服装真っ黒やし!詐欺やないか!」
もう突っ込みも関西風にならざるえない。
彼女は少し猫背で俺の事を下から睨みながら近づいてくる。
俗にいうジト目というやつだろう。
そんな彼女に危険を感じて、姿や動向をよく観察する。
(黒髪だが長い耳を見るとエルフに間違いないだろう・・・それに顔立ちも整っている。能力値ではかなり素早いはずなのにゆっくり歩いてくる。何か意図があるのか?)
とはいえ一緒に戦う仲間なので警戒しつつ動じていないフリをして彼女が近づくのを待つ。
彼女は対面する位置まで近づくと、背筋を急に伸ばして俺の目をまっすぐ見つめる。
そして、左手を腰に置いて、右手をチョキにして右目の近くに置いて、
「ユウシャサマ、「ココノ」デス。ヨロシクオネガイシマス、キラッ!。」
と棒読み調で自己紹介してきたのだった。
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