例えば、綿密に絡まった糸の解れ。
捕らえた気分になった、銀色の網……。
知識とは即ち、もぬけの殻なので御座います。
抜け出した蝶は、羽を広げ、生気に満ちた粉を散らしてゆきます。
蛍火にも似た、遥かなる命の
黒鉛なんぞを絡め取った紙の繊維が、
しかし、世には
又、
汚れに塗れた、白き紙面の中。
滴り落ちゆく、静かな涙……。
ここに、真実などは御座いません。
あるのは唯、虚しき悦びのみ。
ああ、紙川様……。
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