EPISODE02 Rookie pilot
その後、天蒼の海上救助隊を乗せた
「――ッ、そんな馬鹿な!」
「しかし現に、救助隊員達は何事もないかのように帰艦している」
「あの海域は奴らがひしめく海・・・、じゃあ。敵の味方がいたのか?」
「可能性としては、あり得るな。 潜水艦でも居たのだろう。 とにかく、今回はこの
無事に帰艦した俺に、片山司令は頭を下げて来た。
たった1機で味方機が上がる前に、敵機を迎撃し撃墜した記録を打ち立てたのだ。その時間はなんと、たったの1時間で、だ。
「ヨコスカに帰ったら、従軍勲章と英雄勲章を貰えるだろうな」
「そんな勲章は要らないですよ、なんの役にも立たない見栄を張るための印なんて」
踵を返して艦橋から出て行こうとする
欲という言葉に反応したのか
*****
カリブ海から日本国の横須賀という場所にある海上自衛隊が所有する基地に入港した後、欠員となった乗務員を見定める為、片山司令と
「今年は、成績優秀すぎる生徒が多いらしいわよ」
「・・・。 それでも、実戦になれば恐怖で
「はぁ・・・、少しは価値観を変えたらどうなの?」
「俺は、今年は新人を2人にする」
「あっそ。 じゃあ、あそこに居る2人にしてみる?」
片山の癖を言ったその時、背中越しに恐怖を感じたので黙った。
「外見で判断するのは、司令の癖・・・」
「ン? 何か言った?」
「――いえ、何も」
その後、学校側が用意した会場に行き、入船志望の卒業生達にプレゼンをしたり質疑応答などをした。
そこで
木村叶恵は、日本国が新たに導入した飛び級制度で、優秀を出し続けてこの春に卒業した17歳の美少女だ。容姿端麗で、鷹の目のような鋭さでシミュレーターで満点を叩き出したらしい。リリカ・ラングレーは、アメリカ産まれの少女だがガンナーとマーキングにおいては木村叶恵の次という成績だ。
翌朝09時25分。空母が接岸している
「よろしく、私が
「・・・片山司令、空に上がる」
「え? 今日は訓練ないでしょ?」
「彼女らを見極める。 機内で気絶しないかどうかの、な」
「はぁ・・・、分かったわよ」
少しだけ引いている新人2人に対して片山渚は、笑いかけて「根は優しい人よ、だから引かないであげて。それに、私の
そう。日本国内での男性は
引いている2人の目の前に派手な塗装を施した
ヘルメットを付けながら走ってそばに来た木村叶恵を見下ろす
「は、はい。 よ、よろしくお願いします、教官!」
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