#11コア目
あれから魔力感知、魔力操作、派生技能身体能力強化のやり方を詳しく教えてもらった。
と言うのも、母からは派生技能身体能力強化は少しずつ、魔力のほんの一滴ずつであれば身体中に回して良いと言われた。
何故と確認したところ、扱う魔力が少量であれば前回のように倒れたり大汗をかくことは無くなるだろうと。
また扱う量が量だけに相当な繊細な魔力操作が必要になってくるらしい。これも修行の一環だと。
それからと言うもの、母からの言いつけ通りの修行を毎日こなす様になり、
最初期は魔力操作の難しさ故、前回同様大汗をかき倒れることもしばしばあった。その修行期間が二年。
二年の歳月を送りようやくだが、日常生活を送りながら魔力を身体中に回すことができる様になった。
この世界に転生して四年。シュレットはやっとこさ異世界色に自分が染まったなと言う感覚を受ける。
————————————
月日は遡り、エリオットが実家から帰還したその日。
母とのお茶会が解散となったので部屋をでてから、自分の部屋まで移動している時だった。
「あら坊っちゃま。奥様とのお茶会は終わりましたか?」
「あ、アマンダ! うん、今終わったところだよ!」
シュレットが転生してきてずっとこの屋敷で働いている快活なお姉さんメイドのアマンダ。
すっごく身長が低い。多分百二十センチほどだと思われる。前に種族を聞いてみたらドワーフだと言っていた。
何でも、昔、それも兄と姉が生まれるよりちょっと前にマルズレットとイレーナに命を救われたとのこと。
それからと言うものお屋敷がまだ無かった頃からメイドをしているのだとか。
「そうですか、お茶は美味しゅうございましたか? 実は使用した茶葉がうちの旦那の実家で採れたものなのですよぉ」
(そういえばあのお茶、フルティーな香りしてたなぁ。お茶菓子も美味しかった)
「そうなんだ! うん、すごく美味しかった! そういえば旦那さんって?」
「あぁお屋敷で執事をしているエリオットですよ。そろそろ向こうの作業が終わる頃だと思ったんですけどねぇ」
「えぇ!? エリオットなの!? さっき帰ってきてたよ?」
「あら、そうなんですかぁ? エリオットったら。と言うことは奥様へのご報告はしたんですねぇ」
アマンダはそう言いながら頬に手を当てて困った顔をしていた。
エリオットが帰ってきたと言う報告には吃驚していたのだろうかとシュレットは考え込む。
アマンダが糸目であまり顔に表情が出ない為である。仕方ないのだ。
「それで坊っちゃまは何処かにお出かけですか?」
「うんちょっと御本を読もうかなって!(練習するなんて言えない)」
「そうですかぁ! お一人で大丈夫ですか?」
「うん大丈夫!(と言うか一人にして欲しい)」
「ではお気をつけてくださいねぇ」
そう言ってアマンダと離れていくシュレット。
アマンダに驚かされるのはこれで二度目だ。
当然一つ目はドワーフだってことである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます