第15話 秀太の欲求

 チッ。クソが。

 蜜柑のヤツ……とことん俺を焦らしやがって。


 もうそーゆうのはいいってのに。

 この俺、井上秀太様があんなにも熱心にお誘いしてあげてやったのによ……。


 ああ、なんか腹の虫が治まらねえ。


 しかも、なんだ。

 急に最後の方から上機嫌になって用事があるとか言って……。


 俺の事よりも用事の方が大事だって言うのか?

 気に入らねえ……。


 いや、まさか。

 もう男が出来てたりしないよな……?


 でも、こんな夜遅くに用事があるってことは……。


 く、くく……これは一度。

 徹底的に調べる必要があるな。


 後で俺の奴隷たちに命令すれば、すぐに情報が集まるだろうし。

 ハッ。それに、アイツにもお仕置きが必要のようだからな。


 次はとことん追い詰めて……最後は体の隅々まで舐め回してやる。

 絶対に。絶対にだ。


「しゅ、秀太君? ど、どうしたの……そんなに怖い顔して」

「お、お酒……まだ足りなかった? もう一杯追加で頼んどく?」

「で、でも。今日はもう遅いし、このぐらいにしておいた方が……」

「ああ? 今イラついてんだから話しかけんな? 分かんねえのか? あ?」


「「「――ヒっ。ご、ごめんなさいっ!!」」」


 ああ……うぜえ。

 やっぱこいつらじゃ、全然物足りねえ……。


 顔はそこそこだが、俺の欲求を満たすには全然……。


 ってか、彩夏のヤツも一体何してんだよ……。

 事務所が同じだっていうのに、全然顔合わしてくれねえし。


 毎日、メール連絡しても既読すらつかねえし……。


 せっかくこの俺様が誘ってるってのに何様だ? あ?


 いくら国民的芸能人だからって舐めてんじゃねえぞ。

 俺だってお前と同じくらい、この国では有名だというのに。


 それに、あのもちゃんと排除してやったってのによ。

 お前の周りに男があまりついていないのは……この俺が管理してあげてるおかげなんだぞ?

 分かってるのか。彩夏。


「キャっ。ちょ、ちょっと秀太君。ど、どこ触って――!」

「も、もうっ。ダメだよぉー。そ、そんなことしたら眠れな――ひゃんッ!」


「あ? なんだお前ら。何か言ったか? ん?」


 チッ。やっぱこいつらじゃ満足できねえ。


 やっぱ彩夏か蜜柑だな。

 どうせ、まだピチピチの処女だろうし。


 ああ。もうダメだ。

 早くホテルか自分の家に無理やり連れ込んで、メチャクチャにしてえ。


 あいつらの喘ぐ顔……どうなるか想像しただけで夜も眠れないってのに……。


 それに、もうツンデレは飽きたからそろそろやめてくれよな。

 もう十分こっちは分かってんだからよ。


 クク。でも、まあいい。

 蜜柑に関していえば、後一週間で決着がつく。


 来週にあるショーが終われば、アイツはおそらくフリーになるはずだからな……。


 それを逃せば、もう会うことはおろか、ヤる機会も無くなることだろう。


 俺様も、来月からぎっしり仕事の予定が詰まってて中々難しいからな。くくく。


 奴隷たちが全て、前処理はやってくれるだろうから。

 後は我慢して待つのみだ。


 この俺をここまで焦らせたのは大したものだが……。

 くく。少々やり過ぎたようだな、蜜柑。


 その分、日が重なるごとに俺の性欲は増していく。

 そのことを後から後悔しても遅いぜ……くくく。


 ああ。来週が本当に楽しみだぜ。


 俺と蜜柑が一つになる日が……ついに。くく。





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