第5話・ポーション作り(1)

 翌日、俺は冒険者ギルドをたずねた。


「アレックスさん、依頼を受けてくれる人が見つかりましたよ。Eランクパーティーの『風の翼』の人たちです」

 紹介されたパーティーは女性ばかりの最近できたばかりのパーティーだった。


「よろしくお願いします」


 俺が挨拶をし頭を下げると、ちょっとビックリした様子で彼女達は自己紹介をはじめた。


「『風の翼』のリーダーのリンよ。よろしくね」

 綺麗な金髪の長身で美人の女性だった。


「同じく『風の翼』のカレンよ」

 少し背は低めだが、猫目で少し気が強そうな雰囲気の女性だった。


「同じ……く… チェル…… シー」

 ボソボソと俯きながら話す黒髪の女性はチェルシーと名乗った。


「ごめんなさいね。この子、極度の人見知りと言うか……男性が目の前にいると、緊張してこんな感じに、悪気があるわけではないんだけれどね……気を悪くしないでちょうだいね」


 申し訳なさそうに、リーダーのリンさんが言う。


 いい人そうで良かった。


「ルミだ」

 茶髪のショートカットでボーイッシュな女性は無愛想に言った。


「ごめんなさいね、ルミはあまり人と話すのが得意じゃないのよ……」

 またも、リンさんに謝られた。


「いえ。気にしないでください。俺の方こそこんな、安い報酬で引き受けて貰って、助かります」


「こちらこそ。まだ駆け出しの私達なんで、ありがたいです。なかなか女性だけだと依頼してくれる人が少なくて……」


「そうでしたか……4人のパーティーなんですねぇ」


「そうなんです。まだ最近組んだばかりで……」


「なら、報酬金額23000で依頼しましたが、24000でいいですよ。そのほうが4人で割りやすいでしょうし」


「本当ですか? ありがとうございます!」

 リンさんが喜び、仲間に伝えていた。


「頑張りますのでよろしくお願いします!」

 元気に、そう言って去って行ったリンさん達を見送り、俺はギルドを後にした。


 良い人そうでよかったな。

 女性ばかりのパーティーだと大変だろうけど、あのリンさんて言うリーダーなら安心そうだなぁ。


 ……パーティーか。

 俺は昔を懐かしみ少し悲しい気持ちになっていた……


 まぁもう終わったことだ!

 俺と、あいつらはもう関係ないんだ。

 そう自分に言い聞かせていた。



 さぁ、帰ってポーション作りの勉強だ!

 買い忘れた物はなっかったっけなぁ?

 もう一度メモを見直し、チェックをしながら俺は家に帰った。


 帰ると直ぐに、ポーション作りの本を開き、予習を行う。

 必要な道具を用意し、手順を頭に入れていく。


 そうして、一人夜遅くまで、本を見ながら勉強していた。

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