第44話
~第一スタジオ~
約一時間後、あちらの準備が完全に終わったようで浩二一行は第一スタジオに通された。
第一スタジオの扉を開けると目の前には綺麗に腰を60度曲げたスタッフがたくさん立っていた
「あ、どうも、こんにちは」
「「「「「遠いところからようこそ、これからよろしくお願いします」」」」」
(どうなってんの~~!?)
迫力満点なその姿勢にただただ押される浩二であった。
「皆さん、顔を上げてください、こちらこそ、テレビなんかに出させていただく身ですから」
そんな狼狽える浩二に一人の女性が向かってきた。
その女性は顔面偏差値が著しく高いこの空間内でもかなり印象に残るような、そんな麗しい顔つきをしていた。
(美人すぎんか....でも可愛いとか綺麗とかじゃなくておそらくかっこいいに分類されるな、これは...前の世界だったら女子からチョコをもらう女子みたいなイメージだ...)
「お初にお目にかかります、この番組のMCなどを主にします、北川と言います、短い時間ではありますが宜しくお願い致します」
「中弓浩二です、こちらこそ、よろしくお願いします」
(近くで見るとより綺麗だな...)
「それでは早速打ち合わせを始めさせていただきます」
「はい、わかりました」
「ではこちらの席にお座りください」
「はい」
案内された席には二人、先客が座っていた。
二人ともこの世界の平均をおそらく軽く凌駕するほどの美貌を持っていた。
「では皆さん、揃ったところで軽く自己紹介からいきましょうか、まずは私から...名前は北上さやかといいます、職業はコメンテイターを務めております...こんな感じで本当に軽くでいいのでお願いします、そしたら、じゃあ坂本さんから」
「はい、はじめまして、坂本咲良です、高校生アイドルをしています、今日は頑張りますのでよろしくお願いします」
「では次に...どっちでお呼びしたらいいですかね?坂道さん」
「普通に本名でいいですよ」
「それでしたら、川里さん」
「ほいほい、えーっと、川里優希です、Vtuberをやっています、宜しくお願いします~」
「では最後に中弓さん、お願いします」
「分かりました、みなさん、初めまして、Vtuberの方で配信を行っている中弓浩二と言います、テレビは初出演となるので至らぬところがあるとは思いますが宜しくお願いします」
(これを噛まずに話すことができた俺をほめてほしい...普通に顔面偏差値の暴力だって...)
「はわわ...こんなに礼儀正しく話してくださる男性なんて初めて会いましたよ」
「....ふんっ」
(悲報 なぜか初手から嫌われているらしい....いや、なぜに?)
「えーっと、その、続けますね」
「お願いします」
「まずは最初のコーナーなんですが・・・・・・」
その後の打ち合わせはスムーズに進み、そして無事にリハーサルも終わり、いよいよ本番に入ることとなった。
あの不機嫌そうな女性とは質問の応答以外ではついに話すことはなかったけども...
しかしもう一人の同じVをやっている『坂道』さんこと川里さんは職業が同じことで親近感がわき、気軽に話しかけるくらいには仲良くなったはずだ、多分、おそらく、maybe.....なんか心配になってきた...これ裏で嫌われてるとかによね!?
そんな抱かなくていいような不安を抱えながら本番に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます