第36話

「この時間帯で大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ!」

「了解」

「ところで、母さん、学校とかの準備はどうする?」

「あの後、話し合ってたんだけどね、こうちゃんに合うような施設...例えば男子更衣室とか男子トイレとかの設置がまだ終わっていないからもう少し待ってって言われたんだよね...」

「そうなんだ」

「そう、だから先に取材とか終わらせちゃおうかなって...」

「後、二回目の配信をやりたいんだけど...」

「....こうちゃん、前にも言ったけど自分の持つ力に無知すぎるよ...今、こうちゃんの配信を全世界に送ったサイトのサーバーはアーカイブを見たいって人でダウン寸前だし、それを機にアーカイブを消したらおびただしい数の嘆願書が届いたんだよ?なんとかそれを収めようとしている最中だから少し待ってて?」

「....そんなことになってたんだ...分かったよ」

日本国には警視庁の下に全国の警察官が置かれているが

それとはまた別に国家公安委員会直属の部隊として男性護衛部隊が設置されている。

またこれは警察が介入できない、特殊な事件であったとしても男性がかかわる事件が起きた場合のみ

この部隊はそれらの事件においてすべて男性優先で動く権利を有している特殊な部隊でもある。

そんな彼女らは通称「ダンゴ」と一部の人の中でささやかれていて

そしてその中で海外、または日本のの著名な男性陣の護衛をする、

精鋭の中の精鋭たちは全員、ダンゴの中でも特別護衛部隊という

別部隊といって過言ではないほどその指令系統は異なっている。

その特別部隊は例外なしに全員、日本政府の直属の管轄に置かれていて

特殊な条件下でも柔軟に対応をすることが可能だ。

そんな部隊の下に一本の電話がかかってきた。

そこにはある男性の護衛を頼みたいとのことだった。

そしてさらに条件として最も腕の立つものをよこしてくれとのことだった...

もちろん、この部隊には男性を守る義務があるが

それは著名な男性に限られる。

なのでその要望を蹴ろうとしたとき、

すぐさま内閣府からの直通でかかってくる内線がけたたましい音を鳴らしながら鳴った。

電話での内閣の要求には「今、取り次いでいる男性の護衛を許可せよ」とのことだった、

当時、その内閣からの電話を取った職員に聞くと電話口での相手はだいぶ切羽詰まった声だったらしい。

そんな不審な点を見せながら特別護衛部隊はその任務を遂行する者の選考を行った...

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