第29話

~一方そのころ...~

「お帰り、夕夏!」

「ただいま、お父さん、お母さん」

どうもみなさんこんにちは

中弓家メイド長兼中弓志保様の特別秘書の夕夏です。

今日は約五年ぶりにお仕事でお暇をもらって帰省中です。

浩二様が配信をおやりになさっていて大変忙しいときに

とても申し訳ないのですが少しぐらい実家に顔を見せてくれと

両親に頼まれたのと奥様に少しぐらい行ってきても大丈夫よと

半分は親切、しかしもう半分はおそらく、浩二様の世話を独り占めしようという魂胆が顔に書いていました。

ですが成田空港まで浩二様がお見送りをしてくださったので私は大丈夫です...

一週間ほど浩二様のお世話ができなくても大丈夫です...

私のいない間、奥様と明日香様が距離を縮めようとも大丈夫です...

.....いや大丈夫ではないかもしれません...

私がそんなことを考え始めたのはフランス帰省一日目のことでした...。

二日目

「夕夏、好きな人はできた?」

「そうだぞ、夕夏、お前は可愛いからな、男が放っておかないだろう?」

「お父さん?何、娘にデレデレしてるの?〇すわよ?あなたは私を見ておけばいいの」

「は、はい...」

「もうお父さん、まだお母さんに尻に敷かれてるの?」

「あら夕夏、これは敷いてるわけじゃないわ...誰かに靡かないように見張ってるだけよ」

「そ、そうなんだ」

(お母さんが怖いです...)

「それで?夕夏、好きな殿方はできた?」

「う、うん...」

「あら、まぁ...」

「///」

「いい?自分の直感を信じなさい?それに守るべきものができた、女はもっと強く、美しくなれるから」

「わ、分かったよ」

「それで、どんな方なの?」

「そうだなぁ...言葉で言い表せないほどすごい方なんだけど....一番好きなのは笑われているところかな?すこし口端がキュッと上がってえくぼができてそれでいて目じりも少し下がっててすごく柔らかく笑う方なんだ...正直、男性の人の笑い方なんてその方だけだけど、私はこの世界で一番、その方の笑顔が好き。何でもしたくなっちゃうし、この笑顔のためなら何をしようが厭わないだろうなって思っちゃう...そ、そんな人なんだ...」

「....良き人に巡り合えたわね」

「あっ!お母さん、信じてないでしょ」

「そりゃあまあ、でも娘の妄言に付き合ってあげるのも母親の役目だからね...」

「本当なのに...」

「冗談は置いといて...そんな素晴らしい人があなたの隣、すぐそばにいるのなら貴方はその方の盾となり鉾となり絶対に守り切りなさいね?負けて泣いてる姿なんてあなたには似合わないから...」

「うぅ...分かったよぉ、というか、なに、人を中世の近衛兵みたいに言って...」

「あら、昔、貴方に王子様のお伽噺を聞かせたとき、貴方、私が絶対守るのっていt...」

「わぁわぁわぁ、静かにしててよぉ」

「はいはい」

「...」

「はぁ...そしたらこの話はここまでにして休みは一週間しかないんでしょう?早くいろんなところにお出かけに行きましょう?」

「うん!すぐ着替えるね!」

「分かったわ、お父さんは顔を隠せるやつを早くとってきなさい!」

「了解」

そんなこんなで私の一週間の長期休みは幕を閉じた。

前にお母さんに言われたことじゃないけど

改めて私には浩二様しかいないんだと気づかされた帰省だった...





どもども作者です!

夕夏のイメージが少し変わった人もいるかもしれませんが

こっちが素の夕夏です!ぜひお楽しみ下せえw


この前、友人に各話で〇〇(筆者の名前)の書き込みが入るのは

結構見る側にとってはテンポが悪くなるからよっぽど良いことがあったとか

そういう時に書けばと提案されたので少々自粛します,,,,

もうちょっとで5万PVに届きそうなのでその時に!

ではでは

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