第28話

~高校での騒動の少し前~

「よしっ!連絡完了!」

「ナニヲシテイルノ、コウチャン?」

「ホントニソウダヨ、コウチャン...ナニシテルノ?コタエテ...ネ?」

(怖すぎます...はい、なんでこんなに怖くできるかわからんけど...美人の怒っている顔はやっぱり可愛いな」

「ふえぇぇぇぇ...」

「フッ---...フッー--...そういうとこがお姉ちゃんは心配なんだよ...誑かし王だよ、こうちゃんは...」

(声に出て(ry

「ご、ごめん...」

「はー--...それで?こうちゃんは何してたの?」

「そうだよ!こうちゃん、どこに電話してたの!?もしかして女?」

「えぇー--!?こうちゃん、それ本当?ちなみにどんな名前?どこに住んでるのお母さんに教えて!」

「ちなみに教えたらどうするの?」

「えー-そりゃあね...」

「うん、そりゃあ...」

「「殴りこみに行くけど?」」

(これはやばい...)白目

「電話相手そんなんじゃないよ!ただの学校!」

「え?」

「え?」

「あ...」

「どういう事?お母さんたちと相談して決めるんじゃないの?」

「そうだよ!こうちゃん、それに....ごにょごにょ」

「ん?どうしたの、お姉ちゃん」

「いや、何でもないよ、大丈夫....ではないかな、で、こうちゃんはどこの高校に入ることにしたの?」

「えーっと...蛍雪高校に....」

「そうしてそこにしたの?」

「えっと、まずこの家からすぐに行けるところで絞ってその後に施設とか充実してるかどうかで決めました...」

「だ....じょ....は?」

「え?」

「男女比は!!!」

「えっと....たぶん0かと...」

「こうちゃんは....どんだけ私たちを心配させれば気が済むの?」

「もう、眩暈してきたわ...」

「大丈夫?」

「うっ....かわいすぎる、こうきゅん....だめ、こんなひ弱で可愛すぎるこうきゅんを高校に行かせるなんておいしそうな羊を腹すかせた獰猛な狼共の前に置くようなもんだよ!」

「.......で、でも私たち許しちゃったし...」

「だあぁー-なんで私は許しちゃったんだよぉ...」

「あの...その高校の電話口の方は結構冷静だったよ?途中、少し息が荒かったけど」

「こうちゃんは少し自分の恐ろしさを知った方がいいわ...」

「女からしたらこうちゃんは麻薬なのよ?逆に息が荒いだけで済んでよかったわね...」

「そうよ、こうちゃん、うちの電話はそういうのは全部ブロックできるように改造してもらってるけど、逆探知とか平気でしてくるし、電話中の外の音とか...例えば雨とか飛行機の音でもわかっちゃうんだから...」

(舐めてました...そんなこともしてくるの!?ストーカーじゃん...)

「正直言って、まだこうちゃんが配信とかで自制を促してるからいいけど、もしそんなことなかったらすぐに居場所を特定されて凸られるからね!?」

「本当に気を付けるんだよ?いい?」

「分かりました...」

ぷるるるるるぷるるるるる

「うわっ、びっくりした」

「こうちゃんは出ないで、私が出るから...」

がちゃ

「もしもし」

「もしもし、夜分遅くにすみません、わたくし、蛍雪高校教師の坂月と言いますが...中弓様のご自宅で間違いないでしょうか?」

「そうですが...なんのようでしょうか?」

「先ほど、中弓浩二様からお電話をいただきまして、その時に編入のことを聞かれまして、その詳しい情報とご予定の会う日でそのお話し合いたいのですが....中弓浩二様はいらっしゃいますでしょうか?」

「私が母親の中弓志保ですが...」

「ああ、お義母様でしたか」

「発音が少し違うことはいったん置いておいて、その説明は全部私が聞くから、今、話してちょうだい」

「は、はい、わかりました」

「それで....」

なんだかんだお母さんも話し込んで30分ほどたった後...


「どうだった、お母さん...」

「明日香....粗はなかったよぉぉ...」

(何探してんだよ!?)

「ただ、今度会う時の場所はあっちの第一会議室ってところらしいから、そこでこうちゃんと初めて会ってどんな反応するかね...」

「そうだね...それ次第では...」

(行く末が心配だ...)

「と、とにかく、こうちゃんは予定とか入れてる日ある?」

「俺は大丈夫だよ?」

「そしたら、この日で大丈夫?」

「大丈夫!」

「そしたら、この日に乗り込みますか...」

(完全に暴力団じゃん...)

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