『好きなものが食べれて、好きな服を着られて、好きなものもたくさん買える。何不自由ないこの生活に何の不満があるのだろう。私は何に飢えているのだろう――?』そうだった、過去の私も同じ仲間だった。少年少女もいつかは大人になる。でも、過去の少女だった私が今でも叫んでいる。その言葉はかつて、あの頃を過ごしたすべての人に捧ぐ、生身の言葉だった。
ふと、満たされているはずなのに満たされないような感覚になることがある。そして病んで、恵まれているのに…と自分を責める。そしてそれでまた病む。この”絶妙な位置だからこその苦しみ”を的確に描いているのがこの作品だと思う。そのような経験があれば凄く共感できるに違いないし、ないにしてもこのような苦しみを抱える人がいることが分かり、もしかすると身近な人を本当の意味で救うことに繋がるかもしれない。文章量もそこまで多くないので、上記に心当たりがある人もそうでない人もぜひ読んで欲しい。
両親に反抗してしまいたくなる、誰もわかってくれない。それを思春期だと片付けてしまうのは簡単。でも、学生たちはもっとたくさんいろんなことを考えていて、悩みながら生きている。 そこで終わっちゃう子もいれば、仲間たちを見つけてみんなで一緒に乗り越えていく子もいる。今作ではそんな後者の姿が描かれている。とてもリアルで、そして綺麗でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(40文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(429文字)
学生から見てすごく共感しやすかったです鳥肌立ちました1人1人の個性がはっきりとしていて、ストーリー、キャラクター性がわかりやすくとても面白かったです
私には、病み気味でリスカをしている友達がいます。その子と登場人物たちを重ねて「あの時こう言ってあげれ良かったのかな」とか「こんな苦しい思いを抱えてるんだ」と考えるきっかけになりました。すごく深い作品だなと思います。 余談ですが、私、最近小説を投稿し始めたばかりでして……この作品は私の書いたものとは正反対で、勉強になりました!ありがとうございます!