大掃除



クリスマスも終わり、12月の晦日(30日)。葛西家では家族総出の大掃除が行われていた。



「冬未ぃ、換気扇届かんけんしてー」



「はいよー」



この世界では生殖機能以外のところは発育度合なども全て現実世界の男女逆というわけで、女より男の方が小さい場合が多く、この夫婦も例に漏れず隼瀬の方が小さく、届かないようなところは冬未にしてもらうのが通例となっていた。



「ありがとう、璃華おんぶしながら脚立登れんけんね」



「うん、あぶにゃあもん。あん子達の自分達が部屋ん掃除終わったら陽葵に見とってもらうたい」



「そうねえ、埃舞うけんあんまようなかし」



それから数分して、とりあえず掃除の終わった子供部屋へ璃華を陽葵に連れていってもらい、親達は掃除に集中する。



「きゃっ」



「なんや、なんかおった?」



「アマメ(ゴキブリ)・・・・・・」



「わ、ほんなこ。まあ私に任せ」



昨今の奴らは殺虫剤をかけても中々しぶといものの、なんとか仕留め、すぐに処理する冬未。



「隙間もあんまにゃあし普段そぎゃん出らんけん、種類的にもさっき窓開けた時に入ってきたっだろね」



「冬未おってくれてよかったー、よし、窓拭きも全部冬未がしてくれたし、ここ終わったら下の寝室とリビングだけね」



「隼瀬、あれなら私が後するけん休んどってよかばい」



「んーばってん・・・・・・ならお言葉に甘えよっかな」



「うん、いつもしてもろとっけんこぎゃん時くらいね」



というわけで、冬未に後を任せ2階の綺麗になった子供部屋で娘達と少し休む隼瀬。



「ぱぱ、げーむしよ」



「芳美、パパな疲れとっとだけんわがまま言うとでけんよ」



「よかよか、3人で遊ぼっか」



「やったー」



「もう、パパも甘いんだけん」



と言いつつ、なんだかんだ相手してくれるパパも大好きな陽葵である。して、親子3人寄りあってテレビゲームで遊びつつ冬未が掃除を終えるのを待つ。



「おわ、陽葵それあり?!」



「どぎゃんしても勝てば官軍たい」



「いつの間にそぎゃん言葉覚えて」



「ねーね、かてばぐんかんてなん?」



「ぐんかんじゃなくてかんぐんたい。んー、何ばしても勝てば文句言われんて事かな」



「ふぅん」



と、残っていた掃除を終わらせた冬未も加わって、全員でゲームに興じる家族である。



「え、待て隼瀬、そらにゃあども」



「どぎゃんしたっちゃ勝てば官軍たい」



「かてばぐんかんよ、ママ」



「そうそう、ママもそぎゃん正攻法ばっかじゃ勝てんよ」



「ぬぅ・・・見とれよぉ」



その後も葛西家の熱い戦いは夕飯時まで続いたという。











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