こんやくゆびわ
普段から全く夫婦喧嘩などしないわけでもないが、大抵すぐに仲直りしてイチャイチャし出すほど、一般的に見ればバカップルな冬未と隼瀬。それでも最近は街中などでは控えていると本人らは言っているが・・・・・・
「はい冬未、あーん」
「隼瀬も、あーん」
「ほんと、隼瀬ちゃん達はずっと仲良いね」
「葵、もうこん子達な仲良いとかいう次元じゃにゃあけん」
いくつになっても・・・と、弟夫婦の相変わずぶりに苦笑する暁美。ふと陽葵を見ると彼女も幼いながらに自分の両親はおかしいと思っているのか、目が合った暁美にウンウンと頷く。
「姉ちゃんも陽葵も何通じあっとっとね」
「いやー、隼瀬、冬未ちゃん、あたどん達ゃ長い付き合いん中で互いば嫌になった事とかなかつや」
「「ありばすっごて(ありえないよ)」」
まあそうだろうなと思い、なんで私そんな事聞いたんだと自分で不思議がる暁美。と、陽葵が前に家族旅行に行った際のエピソードを暁美と葵に話す。
「なんか食べるたんびあーんし合ってね、芳美も「ねーね、パパとママなんしよっと?」て聞いてきて私な「うちのパパとママはあぎゃんと普通の事て思とらすけんね」て言うて」
「ははは、陽葵はよーっと見とったい」
「「ばってんそんくらい普通だろたい」」
「いや、はるちゃんのパパとママは普段からそぎゃんせんて言いよったよ?」
「うそ、充希も普段あぎゃんしとったっちゃギャップありそうてから」
「咲良もなんかそぎゃん感じするよ」
「いやいや、前に咲良ちゃんに会うた時「冬未達な相変わらずアレだけんですね」て苦笑いしながら言いよったばい」
「「アレ・・・?」」
「ソレたい」
と言って、冬未と隼瀬の手元を指さす暁美、葵、陽葵、芳美。
「「そぎゃん皆して指さしてから・・・」」
「ははは、まああんた達な昔っからそぎゃんだけんね。てか陽葵、最近そのはるちゃんとはどぎゃんね?」
「え、えーとね、なんか「おむこさんにしてね」て言われた」
「「隼瀬かよ」」
今度は冬未と隼瀬ではなく冬未と暁美がシンクロする。しかもその続きの話もなんだか聞き覚えのあるものだった。
「そっでね、こんやくゆびわ?がほしいて言わして、折り紙で作って・・・・・・」
「隼瀬、あんたみたいなマセガキが身近におったよ」
「いやいや、僕あん時欲しいとか言わんだったつに冬未がこっそりしてくれたっだろ、昔っからロマンチストよね、ばってんそぎゃんとこも好き〜」
「隼瀬あんた・・・・・・」
「パパ?ママ?すぐくっつかん!」
「「すんまっしぇん」」
陽葵の圧にシュンと縮こまる親達である。というか前作冒頭の隼瀬はこんな甘々なイメージじゃなかったのに何故こうなったかと言うと、そうなっちゃったからである。書いてるうちになっちゃったんだもん、てへりんちょ(死語)
して、その陽葵が渡した婚約指輪を見つけた咲良は、高校生の時に隼瀬が見せてくれたそれを思い出し、あぁもう・・・と色々と察したという。
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