第88話 ガキのパンツ
見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた見られた!
それも変な仮面をした変態に私の下着姿……
「おい我がライバルよ貴様まさかその姿で出るつもりか?」
「当たり前だろこちとら顔出しNGのvtuber様だぞ?」
「すいませんホムラさん。もしよろしければここにサインをいただけないでしょうか?」
「もしかしてマネージャーさんって俺のファン何ですか?」
「はい!初期の頃から応援してます」
と言うか何であの変質者はこの場に馴染んでるんですか!
ネメシスさんはうちの事務所の売上トップで今をときめくアイドルで、マネージャーさんも事務所1怖くて厳しいって有名なのに、何で同じ事務所の私より仲良くしてるんですか!
そんなこんな1人心の中で文句を言っていると、その件の人物がこちらへとやって来た。
「あ、そうだ今更ですけど俺ユメノミライって言うvtuber事務所所属兼個人勢の九重ホムラと言います。運動はそこそこ得意なので本日はよろしくお願いしますね」
「それはどうも、私はいちごと言います。所属はネメシスさんと一緒で、一応後輩みたいなものですよろしくお願いします!」
「ああ、よろしく」
そう挨拶を返してくれたいちごと名乗った少女は肩を少し揺らしていた。
やっばーいちごさんめちゃくちゃ怒ってる!
まぁ当たり前だよね見知らぬ男に下着姿見られたもんね!そら怒るよね
いやー土下座したら許してくれるかな?
ま、まぁどちらにせよまずは謝るか……
「いちごさん」
「は、はひ!?」
「先程は………………大変申し訳ありませんでした!!!!」
そう言って俺は勢いよく土下座した
「ちょ、ちょっと九重さん?頭を上げてください!」
「いえ、流石に俺の不注意でいちごさんのいちごを見たのは事実なので、許しをもらえるまでは頭を下げるのは当然です!あ、それと俺の事はホムラでいいですよ」
「そうだぞいちご貴様は此奴に下着姿を見られたんだ、その代わりに我がライバルの無様な姿を目に焼き付けるがいい!」
そう言うとネメシスは靴を脱いで、靴下でホムラの背中に足を乗せ高笑いをした。
「ちょっとネメシスさん流石にそれは……」
いちごがそう言おうとした次の瞬間、先程まで土下座していたホムラが勢いよく立ち上がると、それとは対照的にホムラの上で踏ん反り返っていたネメシスは、年齢に合わない少し大人ぶった黒を基調としたパンツを丸出しに上下逆さまになっていた。
「きゃぁぁぁぁ!!!な、な、な、何をするんだ!?」
「鬱陶しいんじゃお前は!このクソガキが!」
「や、やめろ!この変態!今話題の有名アイドルの下着を見る何て許されないぞ!このエッチめ!」
「きゃいきゃいうっさいは!今更お前の様なガキのパンツ見たぐらいで何とも思わんは」
「な、なにおう!」
片足を掴まれ逆さになった状態の空中でパンツが見えない様に両手でスカートを抑えながら、顔を真っ赤に体をクネクネくねらせながら2人は、これから一緒のチームで頑張る仲間とは思えない程バチクソ言い合っていた。
その様子を側から見ていたいちごは、内心で本当にこの人達と一緒のチームで大丈夫かと不安になった。
一方その頃マネージャーはこんなカオス状態に陥った控え室の中で特にこの状態を止める訳でもなく、ホムラに書いて貰ったサインの写真を撮りまくっていた。
――――――――
ここはアイドル運動会の会場にあるとある場所
そこには3人の黒いローブに包まれた3人組がいた。
「本当にこの格好で出るんですかリーダー?」
「当たり前だ!今回の対戦相手をお前も確認しただろ?相手はあの有名アイドルグループのMHO47に絶対無敵ガールネメシス、他には俺達と同じ男性アイドルで言うならあのクライシスも出るんだ。そんな中アイドル四天王みたいな奴らがいる中で、俺たちみたいな中堅どころのアイドルは奇抜な格好で少しでも人目を集めなきゃならないんだ!」
「けど……けどリーダー!流石に俺女装は恥ずかしいです!」
「我慢しろ!ほら見ろ副リーダーは何も言わずに闘志を燃やしているだろう!」
「違いますリーダー!副リーダーは恥ずかしさのあまり固まっているだけです!やっばりいつもの服装にしましょうよリーダー!」
「くっ、しかし……」
そんな事を3人が話し合っていると
『ピーンポーンパーンポーン!これより開会式を開始します。参加されるアイドルの方々は指定の位置へと移動を開始してください。ピーンポーンパーンポーン』
結果着替えが間に合わなかった3人は、結局女装姿で参加する事が決まってしまった。
――――――――
「さぁ始まりました!今をときめくアイドル達による、蹴落としあいのガチマッチ!誰がその手に栄光の冠を手にするか!第1回アイドル大運動会開幕です!」
司会の人の叫び声が俺達アイドルの居る控え室にまで聞こえ、控え室全体に緊張が走る。
「行くわよ!我がライバル!」
「ああ、そうだなゴスロリ」
そう言ってゴスロリと呼ばれた少女は、ゴッテゴテの装飾まみれの日傘をさし、ライバルと呼ばれた男性は白の礼服を身に纏い、今まで横に置いてあった二次元キャラの顔が描かれた仮面を頭に被り立ち上がった。
「「行くか!」」
そう言って2人は控え室を背に歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください!お2人共本当にそんな格好で行くんですか?」
「「もちろん」」
そう言って俺達は、さっきからガッチガチに緊張して固まって居た少女に親指を立てた。
そうして俺達2人は控え室を後にして、会場へと歩を進め、その後ろをオドオドしながら先程の少女が後に続き、司会者に自分達のチーム名を呼ばれたと同時に、俺達3人は会場に入場した。
※MHO47
M=めっちゃH=人がO=多い
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