Episode.14


ずきゅーん!!:.。..。.:*☆))`ω゜)!・;’.


              「はい、では次のかた」


        「はい^^」

    「えっと、『森下花純』です^^」


    「アカペラは初心者なのですが」


   「楽譜は読めなくてもへーきって言う

    …『敷居の低さ』に惹かれて 笑、

    チャレンジしようと思いました♪」


     「よろしくお願いします^^」



      ( ゜Д゜ノノ”☆パチパチパチパチ

「…惚れた」


 「え?なんすか?」


「…いや、なんでもねぇ」


             「じゃあ、お二人とも

             席に戻っていただいて」



  「普段、人前で自己紹介をするってのは、

  なかなか機会として少ないとは思いますが」


  「自分の想いや思考を言葉にして伝える、

  そういう意味では、歌と近い部分はあるので、

 『敢えて』みなさんにやっていただいてます 笑」




  「『楽譜』というのは「それを書いた人の」

     想いや思考が書かれていて」

    「喩えて言うと、披露宴での、

  お祝いのメッセージを代読するようなもので」



           笑



    「アウトプットされた字面から、

   送り手の想いを100%再現するのは、

     かなり難しいと思います」

 

        「例えば!」

   「ってちょっと声デカかったね 笑」


           笑


    「『ありがとう』という言葉」



 「お祝い事のようなHappyなニュアンスもあれば、

      恋人同士で交わされる

   『あまーーい』ニュアンスもありますし、


                        笑


  「別れの際の、切ない・悲しいニュアンスの

     『ありがとう』も存在します」


       「メロディーラインで

    それを表現することも可能ですが…

        みなさんはここに、

   作曲家になりに来た訳ではないので 笑」


           笑



       あ~りがぁと~~ぅ♪


   「今咄嗟に浮かんだメロディーなので…

      著作権料は発生しません 笑」


           笑


  「これに対してどんなコード進行を使うか…

    それも完全に好みの問題です 笑」

         「素直に


       あ~りがぁと~~ぅ♪


       にしてもいいですし」


       「悲しいのであれば



       あ~りがぁと~~ぅ♪



     とマイナーにしてもいいです」


  「…でもこれはちょっと悲し過ぎるね 笑」


           笑


  「でもこういう、追い打ちをかけるのを

      好む人も勿論います 笑」




   「あとは少しアプローチを変えて




      あ~りがぁと~~ぅ♪



      にしてもいいですし」


    「ちょっと小洒落た感じで


      あ~りがぁと~~ぅ♪

                       おお


  って、小洒落たのに反応した人がいたので」

           笑

   「今日はこれを使いたいと思います」



「ここはあくまでもアカペラのワークショップなので、

  メロディーを歌いたいという方がもしいたら…

 カラオケなんぞで思う存分発散していただいて 笑」



    「メロディーノートを抜いた


        ♩~♩~♩~


    この3つの和音を、どの音でも

   どんなラインでも構いませんので、

  好きなようにwooで歌ってみてください」




        ♩~♩~♩~


    ( ; ゜д)ザワ(;゜д゜;)ザワ(д゜; )



        ♩~♩~♩~


         (ㆀ˘・з・˘)


        ♩~♩~♩~


         ( ̄(工) ̄)


         「ふふ 笑」

        「みなさん~!

   顔が凄いことになってますよ~!」


         ( ゜д゜)ハッ!



「楽譜のようにあらかじめ決められたものを歌うより」

  「ここから自分で、『自分の好きな音』を

 探してみるってのは、結構頭の体操にもなるので」



    「ボケ防止にもなりますよ! 笑」



           笑



         ♩~♩~♩~



         ♩~♩~♩~


          ♪(;´∀`)


  「じゃあ、皆さんだけで歌ってみましょう」

        「さん、はい!」



         ♩~♩~♩~


           (・・?)


    「なんか足りない感じがしますよね」



      (゜д゜)(。_。)(゜д゜)(。_。) ウンウン


     「それは皆さんの耳がちゃんと、

   『ハモり耳』になってる証拠です^^」


          おおー



     「じゃあ初参加の森下さんには


              

              「はい!」


        ♩~♩~♩~


  ってラインにチャレンジしてもらって」


              ♩~♩~♩~


       「うん、それで」


   「それで結構ハモれる寺田くんに…


 「お、俺ですか!?」


          うん^^



         ♩~♩~♩~



 って何気にカッチョいいな、このライン 笑」



♩~♩~♩~?


        「ちと惜しい!



         ♩~♩~♩~


♩~♩~♩~


         それそれ! 」


     「って2人に教えてる間、

     みんながつられないよう、

 耳塞いだりしてる光景がちょっとおもろい 笑」




 「じゃあもう一度、森下さんと寺田くん以外の、

    皆さんだけで歌ってみましょう」


       「さん、はい!」



        ♩~♩~♩~


  「で、森下さん・寺田くんの順で加わって」




        ♩~♩~♩~


 「和音が鳴ったのが皆さんにも分かったと思います」



      (゜д゜)(。_。)(゜д゜)(。_。) ウンウン



    「実はこれでもまだ何か足りません」


          (・・?)


      「わかる人、いるかな?」


        「お?森下さん」


              「メロディー?」


       「そう、メロディー!」


           おぉ


    「それじゃあメロディーを…愛ちゃん」


                  「あ、はい!」


    「愛ちゃんはどんなライン歌ってた?」


                  ♩~♩~♩~


      「そしてみんな耳を塞ぐ 笑」


            笑


   「愛ちゃんは初回から来てくれているので、

   ハモる時のアンテナが、結構養われてます」


    「そのハモる際のアンテナ全開で、

      メロディーを歌ってみて」

    「メロディーを歌うっていうより、

   たまたまそういうラインだったっていう、

        そっちの意識で」


                     「はい」



   「テンポはゆっくりめで行きましょう

         愛ちゃんは、


       あ~りがぁと~~ぅ♪


        他の皆さんは


        ♩~♩~♩~


         くらいで」


  「どうせだから、愛ちゃんこっち来て歌って」


                  「あ、はい!」


      「ではいきましょー」

    「いち、にぃ、さん、はい!」



      あ~りがぁと~~ぅ♪

        ♩~♩~♩~


   (О´∀`о)ザワ(・Д・)ザワΣ( ̄。 ̄ノ)ノ



 「ハーモニーに包まれた感じがしたでしょ?」



     (゜д゜)(。_。)(゜д゜)(。_。) ウンウン



   「歌に於いて「ハーモニー」は

    結構重要な要素であること、

   そしてメロディーもその重要な

 「ハーモニー」の役割も担ってること」


   「それを体感できたと思います」




       「今度は!」

   「ってまた声デカかったね 笑」


         笑


「感情表現でハモっていただきたいと思います」



         ?


       「謎だよねぇ~、

「どうやるっちゅうねん!」って思うよねぇ~ 笑」



         笑



 「コードがちょっと小洒落た感じなので逆に」

   「『ありがとう』をムッチャ悲しい

    『ありがとう』にしてみましょう」




  「『この人だ!』って思える人に出会って、

     恋に落ちて深い絆で結ばれて…」

    「でもある日突然倒れた相手は、

 実は重い病を患っていて余命半年だと宣告されて」



  「最初はその現実を受け止められる余裕も

       なかったんだけれど、

 深い絆で結ばれた2人の時間は、たとえ短くても

 明るい時間を過ごしたいっていう結論に落ち着いて」


    「映画観たり、遊園地行ったり…」

      「相手が元気なうちは

  できる限りの楽しい事幸せな時間を満喫して」



     「命の期限が迫ってくと、

   当然身体は衰弱してゆくんだけど、

  なるべくその時間も2人で作った幸せの、

       思い出話をしたり」

 うるっ

 「その、命の灯火が消えかかってる、相手に伝える、

   『ありがとう』っていう感謝の気持ち」


 「…ってなんで川口くんがウルッってなってんの 笑」


 「俺、こういうの弱いんすよぉ~」



   「でも川口くんは、感情のハモりは

     得意そうだね、きっと^^」


 「やった!」


          笑




  「でも『ありがとう』って言葉だけじゃ、

       ちとムズイので」


「『出逢ってくれて』って言葉を前につけましょう」

    「出逢って」ってアレね、

    『あう』が逢瀬の逢のほう」


       「メロディーは…


      であ~ってくれて~♪


         にして、

    コードは小洒落た感じだから…


      であ~ってくれて~♪

       ♩~♩~♩~♩~


       にしよっかな」



   「じゃあまたさっきみたいに、

  メロディーノート抜いた和音を弾くので、

  自分なりのラインを見つけてみてください」


   「愛ちゃんはそのままメロディーで、

     ハモりの意識は残しつつ」

   今度はメロディーの意識を上げ気味で」


       「あ、はい!」



      ♩~♩~♩~♩~



      ♩~♩~♩~♩~


        ♪( ´▽`)


      ♩~♩~♩~♩~


 「1回やったから、みんな飲み込みが早い^^」




   「じゃあ、また皆さんだけでぇ~」

      「さん、はい!」


      ♩~♩~♩~♩~


   「お!今度は足りない音がない!

   和音が増えてるのに…ミラクルだ!」


         笑



  「さて皆さん、『ありがとう』の部分は

     まだ覚えてますでしょうか」


       ゔっ(; ・`д・´)


       「はは 笑」



       ♩~♩~♩~


       「これね」



       ♩~♩~♩~


     「そうそう、それそれ」


        「みんな!

 脳トレだと思って頑張るのよ! ・:*+.\(( °ω° ))/.:+」



         爆笑


   「でさっきのを前につけて」



     ♩~♩~♩~♩~


      ♩~♩~♩~


「うんうん、みんな脳が活性化されてきた 笑」



「じゃあここに、愛ちゃんに入ってもらって」


  「…『出逢ってくれて』って

  どんなメロディーでしたっけ」


    であ~ってくれて~♪


    であ~ってくれて~♪


   「そうそう、それそれ」


   「ではいきましょう~」

   「いち、にぃ、さん…」



    であ~ってくれて~♪

     ♩~♩~♩~♩~


    あ~りがぁと~~ぅ♪

      ♩~♩~♩~



    「なかなかよいよい」


 「でもこれじゃちょっとつまんないんで…」

   「ちょっとだけアレンジします」


        げっ!

  ( ; ゜д)ザワ(;゜д゜;)ザワ(д゜; )


    「安心してください、

 皆さんが頭ん中でキープしてるラインを、

    変えたりはしないので 笑」


       ε-(´∀`*)ホッ


  「皆さんには今のやつを、2回!

    繰り返していただきます」

     「それで1回目の

 『ありがとう』の部分を休んでいただいて」


     であ~ってくれて~♪

      ♩~♩~♩~♩~


     あ~りがぁと~~ぅ♪



      ♩~♩~♩~♩~


       ♩~♩~♩~


      「ってな感じで」


  「でさっきの、川口くんがウルッとなる話」


 「笑」


   「愛ちゃんは、さっきの話の中の、

   残される側になりきって、相手に

『出逢ってくれてありがとう』と伝えてみてください」


    「…はい、わかりました」


     「ではいきましょう~」

     「いち、にぃ、さん…」



     であ~ってくれて~♪

      ♩~♩~♩~♩~


     あ~りがぁと~…ぅ♪



      ♩~♩~♩~♩~


       ♩~♩~♩~

 うるっ


 「愛ちゃんすごいね!女優さんかと思った!」


    (゜д゜)(。_。)(゜д゜)(。_。) ウンウン



 「ほらまた川口くん!ウルってしてるし!」


 「だから弱いんですってぇ~」


         笑



 「で今、愛ちゃんが表現してくれた感情に」

「シンクロして皆さんに歌っていただこうと思います」


 「お話の内容と愛ちゃんが示したベクトル、

  大体どんなんだか分かったと思います」



   「たまたま違うメロディーで、

  たまたま『woo』って言葉ってなだけで」


       「白玉にも、

  感情はいくらでも込められるものなので」



   「愛ちゃんの感情表現に対して、

     ハモってみてください」


      「んで美咲さん」



                   「はい」


 「美咲さんは、2回目のメロディーラインを」

    「トゥルル~で歌ってください」


   「ちなみに美咲さんのラインは」


              ♩~♩~♩~♩~

        「おぉ」

                ♩~♩~♩~


「さすが経験者、なかなかメロディアス!」


     (゜д゜)(。_。)(゜д゜)(。_。) ウンウン


 「でも美咲さんだけが歌ってる音はないので」

     「2回目のメロディーを

   『トゥルル~』とかでお願いします」


                 「はい^^」


     「んで主催者特権で…


  僕が、愛ちゃんの相手役で参加します 笑」


        おぉ~!


   「愛ちゃんを、残す側になりきる!」


        「あ!」



 「ボイパみたいに心電図の音とか入れたり!


         は


   …それはちょっとやり過ぎか 笑」



         笑



  「どこで出るかはお楽しみって事で 笑」




     「ではいきましょう~」

     「いち、にぃ、さん…」




     であ~って~くれて~♪

      ♩~♩~♩~♩~


     あ~りがぁと~…ぅ♪

     あ~りがぁと~…ぅ♪




     トゥル~ル~ルルル~♪

      ♩~♩~♩~♩~


  「だんだんゆっくりにしてみましょう」


      トゥル~ル~ル~

        ♩~♩~



        ル~♪

        ♩~



        おぉ~!

   ( ゜Д゜ノノ”☆パチパチパチパチ



    「みんな、すごーい!」


「今回『出逢ってくれてありがとう』という言葉を

       使いましたが」


  「楽譜というのは、全ての情報が

   表記されてないものだってのを、

  皆さんに実際に体感をしてもらいました」



      「あくまで楽譜は、

   その歌のガイドブックにすぎません」


 「ガイドブックに載ってる写真の景色と、

  実際に行って目の前に広がる景色とでは、

    絶対的に情報量が異なるので」


  「例えば、温度とか風の感触や匂いとか…」



   「なのでこのワークショップは、

    歌の表現する、風景を見に行く

   …バスツアーみたいなものですね 笑」


          笑


「「えー、毎度ご乗車いただきありがとうございます」


  ってこれじゃフツーのバスの運ちゃんか 笑」



          爆笑

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る