悲憤-hihun-4
「それって……成田さんが言ってたの?」
「うん、昨日のこと全部聞いた」
そう、樹矢のマネージャーは昨日打ち合わせした後、ご飯も一緒に行った成田さんだ。
「俺の事で熱くなって写真集の打ち合わせが長引いた上に、朱ちゃんをご飯に誘って俺の事についてめっちゃ語っちゃいました。って嬉しそうに言ってたよ」
朱ちゃんも俺の事を熱く話してたんだって?と嬉しそうに微笑んだ。普段、本人の前ではそんな素振りを隠してるからだんだんと恥ずかしくなってくる。
「みぃくん……俺…」
「なんで泣きそうになってるの?カメラマンが朱ちゃんで良いですか?って確認されて、もちろん、お願いします!って即答しちゃったよ」
えへへっ。といつもの笑顔で笑う。
その笑顔だ。その笑顔があれば俺は何も望まない。昨日みたいな辛い顔を俺が原因でして欲しくない。
「ホントに乱暴しちゃってゴメンね?俺、今日は久しぶりに完オフだから朱ちゃんの仕事が終わったらデートしてくれませんか?」
「うん……、する」
「やった!早く仕事終わらないかなー。俺、家の掃除しながら連絡待ってるから!朱ちゃん、身体痛いでしょ?お風呂まで連れてってあげる」
ほいっ。と言って俺を軽々とお姫様抱っこする。俺は樹矢の首に腕を巻き付けた。
「みぃくん……愛してる。俺はどこにも行かない。みぃくんの側から離れないからね」
「朱ちゃんっ…!」
樹矢は俺を抱っこしたままキスをした。
___俺も一生離さない。
end.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます