第4回レポート
2042年08月14日
16:30
目撃者:スゥ
■■■空港(平日・午後)
その時、ピカッとした眩しい輝きが空に映り、一瞬で消えた。爆発のような音が遠くから響き、空港のガラス型の窓壁が全て割れた。
私は疲れていたせいなのか、目の前に起こった物事に反応できず、立ったまま向こうの景色を眺めていた。
それは、まるで映画のワンシーンのようで、真夏の空に太陽が二つになっていた。いいえ、それは『青いワームホール』だった。そして、そこに吸い込まれていく車やビル、その全て。響き続ける雷のような騒音、風の音、地獄の景色。ここから聞こえるはずのない悲鳴。全てが吸い込まれ、無に消えていく。
気が付いた時には、空に巨大な『青い惑星』が出来ていた。
■■■空港事件後(平日・午後)
頬から流れるあったかい血の感覚で気を取り戻した私は、携帯を握り締めながら立っていた。周りには散らかったガラスの欠片と騒ぐ人たち。
「お...母...さん?」
私はお母さんと話しを続けることにした。でも、向こうからは無言の返事だった。
「...お母さん?」
そこは、私の帰るべき場所。
「お母さん!」
正面から入って来る強い風。
「お母ーさん!!!」
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