第3回レポート

2042年08月14日

16:30

目撃者:ジン


■■■路地裏(平日・午後)


その時、後ろからピカッと光った輝きに男は振り向いた。同時に、雷のような爆音と、その風に飛ばされないように身を構え、空を見上げた。


それは、まるで映画のワンシーンのようで、真夏の空に太陽が二つになっていた。いや、それは『青いワームホール』だった。そして、そこに吸い込まれていく車やビル、その全て。響き続ける雷のような騒音、風の音、地獄の景色。地面から聞こえるはずのない悲鳴。全てが吸い込まれ、無に消えていく。


気が付いた時には、空に巨大な『青い惑星』が出来ていた。


■■■路地裏事件後(平日・午後)


「何...何だよあれは?」


静かになった路上に男は気を取り直した。周りには気絶しているアンドロイドを除き、誰もいない。


「早く本部に報告しなきゃ!」


男はベルトにあった通信機器に手を伸ばす。


「くそっ!」


通信はジャンミングされていた。


「まずは情報収集だ!速く動かないと!」


次にやるべき事を必死に考えながら、男はこの街の一番高い建物へと向かい、走った。

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