第2回レポート

2042年08月14日

16:25

目撃者:スゥ


■■■空港(平日・午後)


「もしもし?あ、お母さん?うん。今、着いたよ。」


人の少ない広い空港に私は到着した。

休みの間、実家に帰る事を決めた私をなぜかお母さんは心配していた。


「大丈夫だって。今からバス乗ってあっちに向かうから。」


《おはようございます。こちらにお客様のお名前を入力してください》


受付カウンターの女性アンドロイドさんから挨拶されて、私はお母さんとの会話を一旦とめた。


《スゥ様。本日は当サービスをご利用頂き、誠にありがとうございました》


私は携帯を左手へと回し、小型の白いケースを受け取った。


「ねー、お母さん、あたしもう社会人ですから。心配しすぎ!」


空港のロビーに私の声が響いた。熱くなった顔をうつむき、私は空港の出口へと向かうことにした。


ロビーのガラス型の窓壁から広がる景色。

それを眺める私は、懐かしい気持ちになっていた。


大学を卒業し、この街から離れた場所で一人暮らしをしている私は、数年も両親に会っていない。この街の景色に、私はこがれていたのかもしれない。


お母さんに早く会いたくなった。

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