第五話

 正面に巨大な積乱雲が出現した。翠は操縦桿を捻る間もなくその中に突っ込む。激しい振動が機を揺さぶり、<ミズカゼ>の機体各所が軋むのがわかる。

 フライ・バイ・ライトによる姿勢制御は完璧なもので、揺れこそするが進路は真っすぐに維持している。巨大な戦闘機は音速を超える速度で程なくして積乱雲の反対側へと突き抜けた。

「お見事」

 後部座席のヒタキがおだてるので、翠は鼻で笑った。

「世辞はいいよ。お前たちのメタファなら、あの雲の中でも四方八方へ飛び回るだろうに」

 MPDから航法図を呼び出す。いま飛行しているのはラシルフ大陸の上空だ。南からの高気圧に押された雲が成長した姿だったらしい。

「このまま飛んでいていいのか。もうすぐあの大陸からは遠ざかってしまう」

「そうね、もっとお話ししていたいし。もしよければ着陸してくれないかしら?」

「なんだと?」

 あまりにも突拍子のない提案に翠は素っ頓狂な声をあげた。

 彼女は明らかに面白がっている様子だが、声色だけは実直そのものだ。

「滑走路と格納庫は用意できる。あなたが決めれば、いつでもあの大地へ降り立つことができるわ」

 エウーリアスへの着陸の試みは、入植初期に行われた。だが悉く着陸後の機体が失踪し、やがて地表の人類が活動していた痕跡も全て消え去った。それがエウーリアスにおける意思探査任務の始まりであり、ルーフェが生み出され、翠がこうしてゲンチョウを操り空を飛ぶ理由だ。エウーリアスの大地は人間を拒絶する。大空はそれまでの猶予に満ちた空間に過ぎない。

 ヒタキの提案はその前提を根本から覆しかねないほど重要なものであるのは言うまでもない。すぐに軍人としての思考が、これは自分ひとりの裁量で決められるものではないと警告を鳴らす。エウーリアスの大地に降り立てば、次に離陸して<サギリ>へ帰投できる保証はどこにもない。<ミズカゼ>はデータリンクにより<サギリ>へ詳細な報告を送り続けているが、飛行状況などの詳細な記録は機体の記憶領域に刻み込まれている。生きて帰ることが望ましい。

 一方で、ヒタキの言葉に嘘が無かった場合、意思探査任務においてこれまでとは比較にならない、核心を突くような情報を手に入れることができる可能性は大きい。何しろ、第二開拓艦隊にとっては夢にまで見た、エウーリアス地表への着陸だ。前例を作るその意義は計り知れない。

 翠は考えるのをやめた。どちらの選択肢をとっても、得るものと失うものがある。

「拒否する」

 直感に従い、ヒタキの提案を拒絶した。

「理由を聞かせてくださる?」

「おれの生命が保証されていない」

「わざわざ招いて殺害するような非効率なことはしないわ」

「お前の言葉を信用できない。おれはルーフェじゃないからな、お前が何を考えているかは状況から判断する。そしてヒタキを拉致したようなお前のやり口には、信用へと繋げるにはまったくもって逆効果だ」

「やっぱり、人間って簡単なようで難しい知性なのね」

「人間を学ぶことだ。そうすれば、お前は自らの行いを理解するだろう」

「あなたはエウーリアスを学んだ、と」

「学ばざるを得なかった。強いて言えば、おれはルーフェを通じてお前を理解しようと色々と試みてきた」

「話を戻しましょう。どうすればあなたは着陸してくれるの?」

「どんな条件を出したところで、おれは<サギリ>に帰投する。生きて帰らねばならない」

「ミズカゼに会うために?」

 なぜここで彼女の名前が出るのか、と翠は困惑した。僅かな間を挟んで、なぜそのような問いを投げるのかと問い返す。

「ここに来るまでのあなたの感情を読んでいた。あなたは、ミズカゼがいるべき後部座席が空席であることに違和感を覚えていたでしょう」

「そりゃ、あいつがいなきゃおれはメタファと戦うことすらできないからな。眼を失った鳥ほど哀れなものはない」

「合理的なようでいて、非論理的ね。なら、『寂しい』と感じることはなかったんじゃないの?」

 言い返そうとして、反射的に首を竦めた。突如として<ミズカゼ>は右ロール、上下反転した姿勢からピッチをかけ、緩降下しつつ増速。

 驚きながらも、何が起こったのか正しく状況を判断している自分に翠は安心した。ラシルフ大陸南西部に突き出た半島から、<ミズカゼ>は離脱しようとしていたところだった。ヒタキを操るエウーリアスの意思はこの大陸に根付いたものだ。

 サイドスティックに力を籠めるが、想定通りの反応が返ってくる。つまり、機体を操作できないのだ。スロットルレバーやMPDの下部からコンソールを引き抜いて打鍵しても、システムは何事もなかったかのように翠の操作を無視している。脳裏に狂ったような勢いで突進してきた電動カートが想起された。エウーリアスはその気になれば、戦闘機程度の電子機器はハッキングできるのだろう。

 かといって、このまま為す術もなく連れていかれるわけにはいかない。今度は翠が拉致されるとなれば、エウーリアス側に人類の情報が大量に流れてしまう。彼女たちはより人間への理解を深め、<サギリ>が対応困難な行動を起こすに違いない。最悪の場合、<サギリ>は撃沈され、エウーリアスは人類にとっての忌み星となる。

「何をする」

「実力行使に出たまで」

 応答が返ってくる。なるほど、声は通じるわけだと翠は考え、唯一の打開策に全てを賭けることにした。

「ヒタキ、聞こえるか。こちら要少尉。ルーフェ・ヒタキへ支援要請」

「わたしに言っているの?」

「お前じゃない、黙っていろ」

 鋭い敵意と共に言い放つと、後部座席の何者かが息を飲む音が聞こえた。構わずに翠は声をかけ続ける。すでに高度は二万メートルに迫っており、急がなければ手遅れになる。

 届け、と魂を込めて翠は呼びかけ続ける。

「ヒタキ、君は何のためにそこにいる。エウーリアスの意思を代弁するためか。君はまだ、生まれて十年も経っていないだろうが、知性というものは、何者かに手垢をつけられていいものじゃない」

「わたしは――」

「人間だろうとルーフェだろうと、それは変わらない。自分が何者かわからないのなら、そのままでいい。だが、戸惑いも、恐怖も、喜びも、君自身のものだ。自分の感情ですら何者かに触れられたものにしたいか? 嫌なら、戦え。今すぐそいつを振りほどけ」

「黙りなさい、人間。今すぐに殺すこともできる」

「引っ込んでろ。ヒタキ、応答するんだ。ヒタキ」

 ほんの微かだが、ヒタキの体が震えたような気がした。翠はHMDのワイプに映る彼女の首がゆっくりと左右に振られた後で、両手が持ち上がりワイプの中に入ってくる。

 彼女はおもむろに酸素ホースを外すと、ヘルメットのロックを解除して、脱いだ。

 ふわりと、空気を含んだ茶髪が肩に触れる。同じ色の瞳が、かつて<サギリ>で翠を見つめていたような戸惑いと不安に満ちたものではなく、確かな光を宿した眼差しを映像越しに射込んだ。

「機長」

 翠はヒタキが戻ってきたと確信した。

「ヒタキ、操縦権限をおれに渡すんだ。<サギリ>へ帰ろう」

「ありがとうございます、機長。でも、わたしは帰れません」

「何を言ってる」

 まだ操られているのかと思い、翠はヒタキの顔を凝視した。だがその眼には狂気の色はない。

 あるのは、ただの覚悟だ。

「わたしはエウーリアスに。もう、ルーフェでも人間でもありません」

「でも、君はヒタキだ」

「はい。だから、わたしは、わたしができることをします」

「なに?」

「エウーリアスがシステムをロックしている。こうするしかない」

 ヒタキは左拳を持ち上げる仕草をする。

 ベイルアウト。 

「別れの挨拶は結構です、機長。わたしは何も恨んでいません。むしろ感謝しています。あなたは最初から、わたしの目に世界がどう映るのかをいちばんに慮ってくれた。おかげで、わたしは『優しさ』を、この星で初めて学ぶことができた。わたしは出来の良いルーフェになろうとしていたけど、結果はこの通り。わたしは、わたしにならなくちゃ」

「ヒタキ――」

「ありがとうございます、機長。それとごめんなさい、ミズカゼ。この人は、あなたに返すわ」

 さようなら、とヒタキは座席下の脱出レバーを力いっぱい引いた。

 機体に衝撃。後部キャノピが炸薬で吹き飛び、勢いよく気流に運ばれて流されていった次の瞬間、座席下部のロケットモーターが作動してヒタキは空へと飛び出していった。

 後部座席が射出されたことで、操縦権限が前部座席へと戻る。それとも、エウーリアスの干渉媒体であるヒタキがいなくなったからか。翠はサイドスティックに手応えが戻った瞬間に、大きく機体を右へ捻ってヒタキを視界へ収めようとする。

「わたしに構わないで」だが、彼女の声で旋回を止める。まだ無線が通じる近距離だ。「メタファが後方から接近中。最大加速で離脱してください」

「ヒタキ」

「あなたの為すべきことを!」

 刹那、凄まじい感情が湧き上がる。それらすべてを飲み込んで、翠は<ミズカゼ>の機首を神室少佐が送ってきたランデブーポイントである南へ向け、スロットルレバーを押し込んだ。

 あっという間に、ヒタキがいた空域から離れていく。小型の無線機しかない彼女の声はもう届かないが、せめてその姿を見ようと、後ろを振り返る。

 HMDには、死角を補う映像補完機能がある。翠が目にした空の中に、小さなパラシュートがふわふわと浮かんでいたが、やがて雲の中へと紛れて見えなくなった。

 <ミズカゼ>は音速の三倍に迫る高速で高度を上げつつ、空域を離脱する。

 ジェット推進音が慟哭のように、エウーリアスの空に消えていった。





 戦闘行動中行方不明MIA。ヒタキという存在はたった一言で完結してしまった。

 なぜそのような言葉が持ち出されたのかは想像するしかないが、習熟訓練中であったとはいえそれは意思探査任務の一環であり、その最中に消息を絶ったためだろう。実戦の状況下において生死の確認ができない、だから行方不明。

 腑に落ちないのは、実際にそうであるかを神室少佐に確かめた時の彼の反応だ。いつもあらゆる質問には即答する彼が少し考えた末に、そうだ、と肯定した。

 要するに、これはただの方便ではないかと要翠少尉は考えてしまう。莫大な資金を注ぎ込んで製造し送り出した四人目のルーフェは、着任から一カ月も経たない短期間で失踪した。開拓委員会ではこれを<サギリ>の失態とみているようだが、神室少佐はエウーリアスにすべての責任を転嫁することにした。恐らくは彼らの保身などではなく、第二〇一飛行戦隊の各人に責を負わせないための一手だろう。これに関しては那須大智大佐も全面的に神室少佐の報告を支持しているから、開拓委員会としてもそれを信じるしかない。

 一方でエウーリアスの脅威を誇大に報告するわけにもいかないのが難しい所だ。現状のままでは打開できない、あるいは人類への脅威となり得るとみなされれば軌道爆撃その他の手法による白紙化も選択肢に入ってしまう。そうなった時、この惑星は本当の意味で人類にとって史上初めての天敵として変貌を遂げるかもしれない。危機に陥った知性は論理性と合理性からかけ離れた行動で現局を打開しようとするものだ。

 結局、神室少佐としては中途半端な、しかし事実である報告を上申するしかなかった。それが彼の見せた迷いの全てだった。

 デブリーフィングのため執務室へ訪問した際、ついでとばかりに神室少佐は報告書の作成と称して一週間の艦内勤務を翠へ命ずる。実際には休暇に近いものだと解釈し、その日はシャワーを浴びなおして眠ろうと床についたが、ヒタキのことが頭から離れない。結局は朝までコンソールに向かいとりとめもない文言を散逸させてしまう。

 二時間ほどの短い睡眠をとってから食堂へ赴き、大きなサンドイッチを注文し腹ごしらえをする。乗組員たちと挨拶を交わしながらも、甘木丈二やユキシロなどの親しい友人とは顔を合せなかった。不思議と、その日は他の戦隊機が意思探査任務に出ているのかどうかも調べる気になれない。

 静かな場所に行きたい、切実にそう思った。

 自室へ戻りラップトップコンソールを引っ張り出して艦内を歩く。知らず知らずのうちに、足取りは過去の日々を辿り始める。通路を歩き、エレベータに乗って艦尾へ向かった。

「ここに来ると思っていました」

 展望室で待ち受けていたのはミズカゼだった。翠にしても、彼女と会うのならここだろうと想像していただけに、特に驚きはない。

 青と緑と白色が立体的に交差するエウーリアスの姿を背にして、ミズカゼは佇んでいる。広々とした展望室は薄暗く、彼女はまるであの星からやってきた女神のようだ。広大無辺で暗黒の支配する海を渡ってきた旅人へ、運命を告げる冷酷な女神。

 頷き返すにとどめ、翠はミズカゼの横に腰を下ろした。ラップトップコンソールを開き、報告書の続きを書くために、あの日あったことを思い出そうと頭を捻る。

「あなたにとって、わたしは必要ですか?」

 何を言っているのかと翠は小さな画面から顔を上げる。こちらを見下ろすエメラルドグリーンの眼差しを正面から受け止めた。

「なんだって?」

「エウーリアスの空を飛ぶのに、わたしは必要かと聞いているんです」

「卑屈になっている君を見るのは珍しいな、ミズカゼ。何かおれに言いたいことがあるのか」

「山ほどあります」

 片眉をあげて続きを促すと、ミズカゼは小さくため息をついて翠の左隣に腰を下ろした。細く華奢な身体を折りたたんで、膝を抱え込む。

 こうして間近で見ると、彼女の線の細さには驚くばかりだ。その肢体に成人男性を遥かに超える身体能力が備わっていようとは夢にも思わない。

 ふわりと彼女の使っている石鹸のにおいがする。翠はそれから逃れるようにエウーリアスへと視線を移した。

「わたしは、あなたに腹が立っています」

「電動カートのことか。あれなら、おれの動機や考えは既に説明したとおりだ」

「いえ、そのことではなくて」隠し切れない困惑を示しながら、ミズカゼは自分の長い金髪の先を指でいじった。「ヒタキのことです。なぜあなたは彼女に固執したのですか」

 直截な疑問を投げかけられて少し驚いたが、それは自分でも考え、悩んでいたことであったので、答えは勝手に口を突いて出た。

「ミズカゼ、君はエウーリアスを初めて目にした時、なんと言ったのか覚えているか?」

「よく覚えていません」

「あの時の君は、『色があります。不思議です』と言った。当時のおれは聞き流していたが、今ならその言葉の意味、何を感じていたのかを想像することができる。君はルーフェとしてあの星を見ていたんだと」

「ヒタキも同じだと?」

「あいつは少し違った。ヒタキはエウーリアスを『大きくて雄大だ』と言った。まるでその身ひとつで星と相対しているような言葉だった」

「人間らしかった?」

「少し違う。どっちつかずだったんだ。ヒタキはもしかしたら人間でもルーフェでもないのかもしれない、そう思った。だからおれの任務は、ヒタキを真っ当な人間やルーフェにすることではなく、彼女自身が胸を張って自分らしく死ねるようにすることだった。だから、助けたかった。あのままエウーリアスの手で自我を捻りつぶされるようなことは、許容できなかった」





 この人間は何を言っているのだろう、とミズカゼは要翠の横顔を眺めていた。

 ミズカゼは人間に納得できない。

 無害な電動カートを破壊してまで何かを守ろうとすることも、友情もないルーフェを探しにたった一人でエウーリアスの空へ臨むことも。

 そして、彼らにたてつくルーフェを対等なものとして扱い、大切にすることも。

 心とはなんだろう、と考える。わたしがいま感じているこの暖かい男の心は、今やヒタキの死という悲哀に満ちていて、とてもではないが爪を立てる気にはなれない。

 合理性の粉を振りかけて冷酷さを隠そうとする人間の醜さには、今でも憤りを覚える。互いの感情を読むことのできない人間だからこその所業だ。理屈だけではどうにもならない感情という問題を覆い隠す方便を、人間はたくさん持っているのだ。相手は自分と同じ感情を持つ知性であるという前提をそうやって飛び越えていく。

 しかし今は、その逆だ。翠はヒタキへの思いやりを口にし、エウーリアスの空へと命の危険も顧みず飛び立っていった。

 いくつもの声が頭の中でこだまする。


 ――最近のあなたは随分とルーフェらしくなったわね、ミズカゼ。


 ユキシロに声をかけられ顔を上げると、そこには神室少佐が立っている。

 執務室で、彼からの問いかけにミズカゼは答えた。


 ――彼がわたしの翼だからです。


 肩を叩かれ振り返る。

 もう今はいない四人目のルーフェ、ヒタキが不思議そうな顔で展望室に立っていた。


 ――同じルーフェ、なのに?


 ヒタキへ手を伸ばすと、霧のように掻き消えた。

 目映い照明に照らし出された格納庫の中、パイロットスーツ姿の要翠と相対している。


 ――おれがいなくても代わりが来る。それが人間のいい所のひとつだ


 全ての覚悟を決め、脱出用のハンドルを握る手に力を籠める。

 簡単な仕事だ。しくじりはしない。空に落ちていくことも、怖くはない。


 ――それとごめんなさい、ミズカゼ。この人は、あなたに返すわ


 あなたはわたしのためであってとしても、ヒタキと同じようにその身を顧みずに飛ぶことを選んだのだろうか。

 翠であればそうしただろう。驕りや楽観からくるものではない確信がじんわりと胸の隅から滲み出て心臓を温める。

 戸惑いをなかったことにしようと、ミズカゼはエウーリアスの雲が織りなす縞模様を、ただ無言で見つめた。翠は彼女が隣にいることを許し、いや、彼が一度も拒絶したことなどなかった。ただそこに立つ者を認め、愛することのできるのは人間の美徳か。心は見えないからこそ美しく見えるもので、実際にその輝きを妄信するのは子供だけだ。

「言いたいことはそれだけか」

「ええ、今のところは」

「そういえば、出撃前の表情は傑作だったな。あんなに驚いた顔を見たのは初めてだ」

「今も驚いていますよ」

 穏やかな海のように静かな翠の心を感じながら、今度はいつこの人と飛べるのだろうか、ととりとめもなく考えていた。なんと寂しい心なのだろう、この男は。

「ヒタキはどこかへ行ってしまいましたが、あなたは帰ってきた。そうではありませんか?」

「そうだな。それこそが問題なのかもしれない。おれたちは必ず帰ってこなきゃいけないんだ。ずっと飛び続ける翼なんて、どこにもないっていうのにな」

 おれはいつまでも空の上にいたいよ、と幼稚で純粋な告白を、いまはわたしだけが聞いていればいい、とミズカゼは黙って聞いていた。

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