第6話 失恋後の文化祭(合唱コンクール準備)
恭子と別れてすぐ、文化祭の準備始まった。
うちの高校は5月半ばにはすぐに文化祭が始まる。
春に文化祭を終えてしまうので、なんとも味気ない学校であった。
ちなみに、恭子と別れたことは、バカ仲間にしか話していなかったが、
文化祭の準備が始まる頃には、クラス全員に知れ渡っていた。
隠すほどでもない、どうでもいい話だが・・
人の噂が伝わるスピードには驚いたものだった。
そんな失意の中で、
文化祭の準備が始まったが、僕はクラス委員でありながらも、全くやる気がなかった。元々集団行動ができるタイプの人間ではなく、協調性かけらもない。
また、驚くほどリーダーシップもなければ、矢面に立ちたくない人間だ。
しかし、クラス委員にされてしまった以上、やることはやらなきゃいけない。
当時の文化祭の1年生は合唱コンクールが併催されていた。
クラス委員として、最初の仕事は、選曲だった。
選曲と言っても、全員から意見を徴すると時間が足りないので、クラス委員が5曲程度候補を出し、そこからクラス全員が投票して、曲が決まることになった。
・空も飛べるはず
・WAになって踊ろう
・HELLO
・夜空ノムコウ
などの無難なナンバーに加えて、
キテレツ大百科のテーマ(お料理行進曲)を提出した。
最後の1曲はなんとなく、笑いをとりたかっただけであったが・・・
意外にもクラスメイトの多くが、キテレツ大百科のテーマ(お料理行進曲)に投票し、高校生でありながらもキテレツ大百科のテーマ(お料理行進曲)をクラスで熱唱することになった。
はっきり言って・・
こんな曲を選ぶとは・・・
レベルの低いクラスであったことが露呈された。
とりあえず・・曲が決まり、ピアノが弾ける演奏者(憧れの瞳)が決まり、指揮者も出席番号1番の相澤くんに無理やり任せることとなり、とりあえずクラス委員としての責務は果たした。
ここから・・
放課後練習の毎日が始まる。
クラスメイトにサボるなよと言いながらも・・
一番サボりたいのは僕だった。
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