第8話「君」の部活

「ここが部室…かあ…。おお~、結構機材そろってるね~!あっ…まずいっ…」


(やば~いっ…。今、他の人に絶対私の声聞かれたよね?

 ふう…、部員の女の子がいてくれて助かった…。気づかれてない…)


「――」


(うんうん…。あいさつして…、今日は何をするのかな…?

 すでにバンドを作ってる子たちは練習だよね?あれ…なんだか…取り残されてない?)


 部員の子たちがバンドごとに分かれて打ち合わせを始めた。


(うーん…五月入部だとこうなるのか~。困ったなあ…)




 部活が終わり、帰宅する。


「初日は個人練習だけだったね…。でもほら、顧問の先生がいい人でよかったねっ!

弾き方のコツとかさ…しょっちゅう気にかけてくれて、教えてくれてたじゃん…!」


 君は少し気落ちしてるみたい…。


「だ、大丈夫だよ!まだ新しい部員入るかもしれないしさ…。

 タイミング悪くなんてないって!何かを始めるのに遅すぎるとかないからっ…。

 君のやる気が本物なら、人は集まってくるよっ!信じて」


「――」


(さすがに少しショックだったみたい…。そりゃそうだよね。あれだけやる気に溢れてたんだから…)


「疲れてるだろうし、今日は早めに寝たほうがいいんじゃない…?

 また明日から頑張ろう…?私も協力するからさ…」

(ちょっと切ないけど…、こればっかりはどうしようもないからね…)

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