竜などの大型生物の体内を探検し、希少な鉱物などを持ち帰る探検家の物語。
ワクワク感の塊のような異世界ファンタジーです。
主人公であるリグ・マイヨールこと『ハカセ』さんと、その探検を手伝う助手のスライム娘・ミネバさん。
そこにライバル(?)の高飛車な女騎士さんまで加わって、巨大生物の体内でわちゃわちゃ喧嘩するお話。
もう本っ当に最高でした!
男性向けライトノベルの極北といってもいい綺麗な短編。
軽妙な掛け合いが面白おかしく、なによりキャラクターが魅力的。
お嬢様然とした女騎士さんが可愛いし、スライム娘のミネバさんがまた健気で。
ハカセもまさに主人公という趣で、知恵と機転担当なのがとても良い。こう言ってはなんですけど、「知恵で活躍するなら自分でもできるかも?」的な、等身大の自分(読者自身)を投影しやすいキャラクターだと思います。まさに主人公。
主な題材が「でっかい怪獣のうんこやゲロ」というのも最高でした。
もう完全に小学生か幼稚園児の好きなものなんですけど、でも物語上の役割としては全然ふざけてなくて、しっかり冒険として成り立っているのがなおのこと好き。
あとはもう、個人的な趣味というかヘキのお話になってしまいますけど、丸呑み要素が本当に良かったです。
巨大生物の体内での、スライム娘による丸呑み。つまり丸呑みの二重構造。しかも合意の元、そして当然その必要があってというのがなお素晴らしい。
丸呑み(vore)の好きな人には胸を張っておすすめできますし、そうでない人にも広くお薦めできます。
真っ直ぐな気持ちのいいジュブナイルでありながら、ヘキのど真ん中を鋭く突き刺してくる、本当に途轍もないお話でした。大好き!