#6 実数軸

「え?」

彼女の突然の言葉に、僕は言葉を失った。

「だって、そうでしょう?普通に考えて、全く知らない人が、夢に、それも、しっかりと出てきて、ここまで深く関われるかしら?それに、夢の中であなたがあいつらを恐れさせていたのは、きっと予知夢だったのよ!それに、突然移動していたり、知らないうちに、自分でも解けない問題を解いていたり、普通、おかしいでしょ?だから…」

ここで彼女は大きく息を吸った(ここまで彼女は一息で喋っていたのだ)。

「…だから、きっとこちらの世界が、現実なのよ」

そう彼女は、首元を袖で拭いながら言った。

一気にこれだけのことを喋ったからか、彼女はひどく汗をかいていた。

確かに、彼女の言っていることは、全て的を射ている。だが、何かが引っかかる…

「だから、ねぇ、ずっと、一緒に、いよ?」

そう言った彼女は、どことなくぎこちなく見えた。

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