#2 実数解

騒がしい。いや、いつもの教室に比べたら、遥かに静かなのだが、僕の目を覚まさせるには、充分なほどうるさい、ということだ。

いや、違うか。ようやく状況が飲み込めてきた。どうやら僕は当てられたらしい。

「おい、お前。寝てたんじゃないだろうなぁ?」

と先生に聞かれて、一応、

「寝てないですよ…」

と答えておいた。もちろん、嘘である。

「じゃあ、この問題、解いてみろ。」

わからない。どう解くんだ、これ。それより、あの夢はなんだったのか。それと、あの人は誰なのだろう。クラスメイトでは無さそうだが、、、

あぁ、もう何もわからない、と、僕は目を閉じた。すると、信じられないことが起きた。

気づけば、僕は黒板の前に立っていた。見れば、問題が解いてある。手についたチョークの粉を見る限り、僕が、これを書いたらしい。無意識のうちに。

「…正解だ、もう戻っていいぞ。」

それも、正解していたらしい。

僕は、何かの才能に目覚めたのだろうか。ともかく、この問題は、さっぱりわからない。ともかく、来週の定期テストに向けて、勉強しなきゃな、と、僕はのんびりと考えていた。

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