第4話 目覚め

 夢から覚めた。

 朝起きても何もやりたくない。

 ここは強制されることはない場所だから何時にご飯を食べてもいいし、

 食べなくてもいい。

 


 私は考える。

 どうしたら不安が無くなるのだろう。

 だって私の持てるすべてで好きだといっても、

 直すことは不可能だね。

 どうしようかな。


 何にも要らない。

 かなしくはない。何を悲しんでいいのか分からない。

 だって分かっていたことだから。


 いまさら泣けない。

 ぽっかり穴があいたような気分。

 

 いつかいないと考える時もあるのだろうか。

 ずっとそのことばかりがループする。何度も何度も。

 

 そればかりを考えるようになって、人と話すことさえ面倒になった。



 其の晩も夢をみた。親友だった女。出会った人に夫を寝とられる夢。

 そしてそれは幻覚ではない。きっと本当に現実になっているお話。


 だって私の友達は夫と仲が良かった。私が疑いたくなるほどに。夫は何でもない。お前の友達だろうといった。彼女はあなたの夫に興味はないわと口にした。


 電子機器によって彼らの嘘は崩れ去る。

 ラブラブメールに五分ごとの電話。

 

 これが特別な関係でなければなんだというのだろう。

 そこまでがわたしの知っている話。


 これからはここで敬虔な信徒として生きよう。

 外界の情報とも触れられなくなって安心した。

 

 ここなら何も考えなくていい。


 思考停止になり続ける気はない。

 自分できることを探していきたい。





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