第3話 流されてきた場所

 一瞬、ハーレム状態を作り出したいがために

 宗教系の組織を作ったという話が頭をかすめた。

 危ない組織だったら警察沙汰になることもあるかもしれない。


 しかし、他に生活を安定させる術が分からなかった。

 ボールペンが置いてあるスーパーに向かい、

 ざっと記入を済ませ、彼らのもとに急いだ。


「私でも参加できますか?」

「もちろんできます」


 さっそく移動させられた。

 バスに乗せられて、2時間ほどゆられただろうか。


「今日から此処で生活をしていただきます」


 スウィートルームみたいにきれいな部屋だった。


 それをツイッタ―に書こうとしたら、

 携帯電話を取り上げられた。


「ここでは携帯電話の使用を禁じております。聖母様に失礼に値します」


「え? 今の時間がいけないということではなくて、

 携帯電話を使うことがいけないの?」


「さようでございます」

 それからあらゆる手段を取ろうと心に決めた。


 どんな所にも週動議を着た男女がペアになって

 監視をしているからその眼をかいくぐって

 外にコンタクトを取ることは不可能だった。



 この教団を設立し、一番偉い人である

 ミスター・アイなる人物がやってきた。


 彼は不満のある女性の声を聞いて、

 彼女たちの願いを叶えてあげるというのだ。


 彼は私の前で立ち止まった。

「あなたは男を憎んでいるね」

「はい」


「その男に復讐出来るとしたら君はやるかね? 

 それとも、新しい男を見つけるかな」


「もういちど私のところへ帰ってきてほしい」

「そうか。良く考えると良い」


 久しぶりに夢をみた。

 私は夢を見やすい体質だったけれど、

 彼を失ってからはどうにも不安だった。


 もちろんそれは寝心地の悪いネットカフェなどで夜を明かしていたからだろう。


 ☆☆

 これが夢の中の光景だとは分かった。

 インクが滴る。無意識に止まっている手。


 あなたに出会わなければもっと勉強出来たし、

 もっといい家庭を築くことも出来たでしょう。


 本当に憎い。

 私を捨てるなんて、どうしてできるのだろう。


 広い部屋にわたし一人。

 どうしてだろう。こんなはずではなかったのに。

 

 私は守られることよりも守りたいの。

 何時もなら私を探してくれる彼。


 一人にしないと約束したのに。

 貴方は約束を破ってしまった。

 いけないのはあなた?

 それとも約束を破らせてしまった私?


 分からない。

 分かりたくない。


 一度止まると何も出来なくなる。

 だから私は走っていないといけない。

 これが失敗だとしても。


 いつもそこで夢は終わる。


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