第10話 俺とナコとレコと姉妹、久仁子と國子の姉妹と

ナコとレコが暴露したが。

何というかナコとレコは血が繋がってないらしい.....。

俺はその言葉にあまりに衝撃で言葉に詰まった。


その事を.....相談しても良いか、とナコとレコに聞くと。

良いよ、と答えてくれたので.....今。

俺は久仁子と話している。


「そっか。.....そうなんだね」


「.....ああ。.....かなり衝撃だろ?」


「.....うん。でもそんなに衝撃でも無いかな。.....私とお姉ちゃんも血が繋がってないから」


「.....え」


放課後。

住宅街の公園で久仁子と話していたのだが。

また凄い告白だな!?


それで久仁子と國子が重なっているのか!?

俺は衝撃を受けながらブランコを前後にギイギイ動かす久仁子を見る。

そして勢い付けて久仁子はそのままジャンプした。

それから空中を飛ぶ。


「とお!」


「おお」


それから降り立ってから。

久仁子は俺に向いてきながら、私の家も再婚なの、と言ってくる。

そしてニコニコしながら鎖を握る。

俺は、そうなのか、と衝撃を受ける。

久仁子は、そうそう、と言った。


「お姉ちゃんとは血が繋がってないけど。.....でも今はアパートでの2人暮らし楽しいしね」


「.....」


そうだったな。

久仁子の親は.....、と思う。

思いながら久仁子のその顔を見る。

久仁子は笑顔を浮かべる。

八重歯を見せながら。


「久仁子。姉ちゃんの事は好きなのか」


「大好きだよ」


「.....そうなんだな。良かった」


「.....だから気にしないで良いと思う。そういうのあまり」


久仁子は言いながらジュースを飲む。

ごくごくごくごくと、だ。

勢いよく飲むと腹壊すぞ、と言うが。

久仁子は、でぇじょうぶだ、と話しながら飲んじまった。


「バリバリ元気だしね」


「.....そうか」


そんな会話をしていると。

ほう。貴様が久仁子の旦那か、と声がした。

は?、と思いながら背後を見ると。

そこに美女性が立っていた。

煌びやかな黒の腰まである様な長髪。


「私の名前は山部國子。.....貴様は婿と聞いているが間違いないか」


「間違っています」


「お姉ちゃん。違うから」


「.....む?そうなのか。.....てっきり嫁と婿かと」


「どっからその誤解生まれたんですか.....」


こほん。まあそれは良い。

君に一目会いたくてね。どうあれ、と言ってくる國子先輩。

俺はその姿に、そうなんですか、と答える。

ああ、と答えた國子先輩。


「久仁子に何時も優しくしてくれて有難う」


「.....いや。俺の方こそお世話になっていますんで」


「.....久仁子は当初は笑みが無かったんだ。これでも。それを取り戻したのは君だ。.....有難う」


「.....そうですね。当初は寡黙でしたもんね」


「そうだ。.....久仁子を取り戻したのは君だ」


「.....」


寡黙な少女。

今の久仁子には有り得ないけど。

飛行機事故で.....両親を失ってから。

笑顔が全く無い少女だったらしいが。

俺が接触してからは.....笑顔が絶えなくなったという。


「.....時に。.....何を話していたんだ。久仁子」


「.....あ。えっとね。.....お姉ちゃんの事とか。私達の再婚相手の事とか」


「.....そうなんだな。.....確か君も再婚だったよな?英治君」


「.....そうです」


「.....ふむ。.....お互いに仲良くなろう」


言いながら握手を求めてくる國子先輩。

俺は頷きながら握手した。

そして骨が折れそうになる。

あまりに凄まじい握力だった。

いてててて!!!!!


「お、お姉ちゃん。握力で骨が折れるから握手はあれほどダメって言ったのに」


「す、すまん。大丈夫か」


「は、はい.....」


マジに俺そうだった。

ヒビでも入るかと思ったぞ。

考えながら俺は苦笑しながら久仁子と國子先輩を見る。

2人とも笑みを浮かべて俺を見てくる。

その顔にナコとレコの事を思い出して、実は、と告白する。


「.....という事です」


「.....そうなんだな。君も複雑な家庭なんだな」


「.....私達もだよね。お姉ちゃん」


「.....そうだな」


親の事も色々あったが。

でも今は何よりも久仁子が愛おしい、と言いながら久仁子の頭をそのままナデナデする國子先輩。

俺はその姿を見ながら微笑ましく思う。

久仁子は愛されているんだな、と。

そしてこういう性格で育ったから.....人を助けるんだな、と。


「有難うな。久仁子。心が晴れた」


「.....そう?良かった」


「.....もし良かったらいつか私達の家に来たまえ。英治君」


「.....はい」


そして俺は2人と別れ帰宅する事にした。

そのままドアに手を掛ける。

それから開けると.....ナコとレコが猫耳でコスプレをして居た。

際どいビキニで、だ。

何してんだァ!!!!?

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