第7話 親友の女の子の裏切り
「おい!進藤!」
不意に廊下で木崎に声を掛けられた。
「…お前長瀬と付き合っているのか?」
「え?付き合ってないよ?」
「土曜日にお前と長瀬が仲良くデートしているのを見た奴がいるんだが…」
「あ…それは本当だ。
ただデートではなく、ショッピングを一緒にしただけだけど…」
「お前…長瀬の事…好きなのか?」
「…まだ何とも…でもそういう気持ちも少しあると…思う…」
そう言うと木崎は
「ここじゃ話せないから、放課後ちょっと視聴覚室に来い!」
・・・
視聴覚室に行くと木崎がちょっと悲しそうな顔で言ってきた。
「まだ引き返せる!俺は諦めた方が良いと思う!!」
「彼女は噂のような人間ではないんだ!
僕は…彼女を信じてる!」
「ふぅ…少なからず長瀬に恋心を抱いているお前に…
ここまではしたくなかったんだが…
お前にはショックかもしれないが、こういう写真があるんだ…」
木崎はスマホをそっと僕に見せた。
そこにはホテルの前でにこやかに笑う長瀬と
サングラスをかけた年上の男性の写真が写っていた。
「あの噂は…本当なんだぞ?」
サングラスをかけた男性は誰なのだろうか?お義父さん?
でも確証が持てない…
長瀬はいつも嫌々ホテルに行ったと言っていた。
けどこの写真はとてもそんな風には見えない…
偶然そういう顔になったのかもしれないが…
何でそんな表情ができるんだ?
彼女の言った事は本当に正しいのか?
僕は心にモヤモヤを感じた。
「これでも…まだ…信じるのか?」
僕は…もう…すぐには答えられなくなっていた…
「…正直…ショックだな…お前の言う通りなのかもしれない…」
そう絞りだすように声を出した。
視聴覚室の外で何か音が聞こえた気がしたが…
僕は茫然としてしまい暫く動けなかった…
・・・
その翌日、長瀬さんは休みだった。
するとメールに長瀬さんから連絡があった。
長瀬の父です。娘のアドレスで連絡してます。
ちょっと娘が体調悪いみたいで…
進藤君に来てもらえると元気が出ると思うので学校終わったら
家に来てくれるとありがたいです。
長瀬の父より
という内容だった。
僕は写真の事も少し聞きたかったので、
はい。伺います。
という返事をした。
・・・
放課後お見舞いのゼリーを買って、僕は長瀬さんの家に行った。
「ごめんください!」
返事がない…気づくと玄関に男物の複数の靴があった…
麗奈の時の事もあり…嫌な予感が頭を過ぎった。
そして二階から
「うううっ!!!」
苦しそうな声が聞こえた…
「ま、まさか!!!」
僕は長瀬さんがまたお義父さんに襲われているのではと思い、
急いで二階へ向かった。
苦しそうな声のするドアを開くと
そこには想像を絶する地獄図があった…
「ううっ!き、気持ちいい!!」
長瀬さんは複数の男性に…
そして苦しそうに見悶えていた。
「な!!!」
「やあ…進藤君…よく来てくれたね…」
長瀬さんのお義父さんがニヤニヤしながら挨拶してきた。
「あんたまだ娘にこんな事してんのか!!!
ふざけるな!!!」
「ふざけてないよ。それに君は何か勘違いしてないかい?
これはね…娘が望んだことなんだよ?」
「はぁ!?そんなわけあるか!!!」
そう言って僕は長瀬さんのお義父さんを殴りかかろうとした時に
「進藤…君…来て…くれたんだね…
見て…私を…私…奇麗かな?…
最期に…そう思ってくれたら…嬉しい…な…
私…お義父さんにお願いしたの…」
「な、何を言ってるんだよ!!長瀬さん!!!
君が望んでこんな事してるって言うのか?
君はこういうの嫌だって言ってたじゃないか!!!
あれは…嘘だったのか!?」
「嘘…じゃ…ないよ?…
でも…さ…もう…遅い…んだよ…
私…もう…!!」
「これで分かったろ?
もううちの娘に関わるな!!!」
「うそだ…うそだ…」
俺はとぼとぼと長瀬宅を出て行った…
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