第21話 まるで異世界転生小説のようやね...(白目
「ちょっと意味がわかりませんね」
俺がジパング人?いや、冗談は休み休み言え!
「兄さんは確かに養子ですが、お父様。さすがにそれはあり得ないのでは...?だってほら、兄さんは黒髪黒目ですよ」
「24歳、元学生で、まだ一度も海外に行ったことない純粋な日本人ですよ。ええ」
「礼司は、ジパングの改変魔法によって体質を変えられたんだ。君の母親によってね」
???????????????
そろそろ脳がおかしくなりそうです。
「僕は、23年前に偶然ジパングに召還されたんだ」
「超展開すぎますよ。理解が追いつかないっす」
「僕がジパングに漂着したのは、日本の多次元実験によるものだったんだが、ジパングの人たちはすごく親切に僕をもてなしてくれた。無知で身寄りのない僕を、ジパングの王族が引き取ってくれたんだ」
父、大倉礼厳は目を閉じて思い出に浸るように言葉をつづけた。
「その時、ジパングの王位継承の争いに巻き込まれた。僕が匿われていたヴァルナーク家第1王妃の家は、第2王妃一族の襲撃を受けたんだ」
「王族?えっ...??」
「そう。ジパングを統治している王の一族。今もそうだと思うよ」
「第一王妃、そしてまだ幼い王妃の息子を連れて僕らは逃げた。僕を日本に送るため、ジパングは次元転移魔法装置を作っていた。僕たちはそこに逃げたんだが、、装置は二人分しかなかった。僕は王妃と子供を日本へ飛ばそうとしたんだが、、王妃は魔法による深手を負っていた。長くはなかった」
「で、王妃は息子とお父様をそのまま日本に送ったと?」
「あぁ。そうだ。その時、王妃は幼い息子に自分の命と引き換えに、強い改変魔法をかけた。王族の身分を、ずっと偽ることのできるように」
「あぁ、、なんてこと.......」
「王妃の名前は、レイア・ヴァルナーク。君の母親だ、礼司」
なんとなくだが、朧げに昔の記憶がよみがえってくるような感覚。
時々夢に見ていたような、遠い過去の記憶。
「そして礼司。君の本当の名はレイザード・ヴァルナーク。当時ジパングを統治していた、レインハルト・ヴァルナークの第1子。第1位の王位継承権を持つ正統な王子だよ」
「.................................................................................」
現在、脳がフル稼働しています。
もう一回最初から話してもらいましょうかね。。。
「に、兄さん、あなた王子様だったの!?白馬の王子!!?」
「信じられないと思う。すぐにはね。けど裏付ける証拠、そしてレイアさんとの約束を、ようやく果たせるよ」
父さんは指令室の壁に歩いて行った。
指令室の正面壁には、大きな絵画が飾られている。それを外し、なにやら裏にある装置をいじり始めた。
機械音のあと、装置のロックが外れた。どうやら金庫のようだった。
「礼司。これを君に渡す。レイアさんから預かっていた。改変される前に君がもっていた、君の魔法石だ」
「なんてこった...」
ジパング人は、魔法石を持ってこの世に生まれてくる。
俺がジパング人だと裏付ける証拠。それがどうやらこの魔法石らしい。
「もともと、君には魔法の素養があった。改変され、ほぼ失われたが。君の系統魔法、それは.........」
情報量が多すぎる。そして重い!ちょっと時間をくれ。
「お兄様に、まさかそんな秘密があったなんて」
「アー、なんというかこう、まるで異世界転生小説のようやね...(白目」
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